部屋の外から声をかけると、驚いたことに夏芽からドアを開けた。これまでにはないことだった。
レイプされた美奈子をいたわり、ショックを受けた夏芽にまで気をつかったような態度のせいだろう…夏芽の次郎に対する態度が明らかに変わったようだ。
(クククッ…あんな演技に騙されおって…)
「ちょっと話がある…ワシの部屋に来なさい…」
いつもなら露骨に嫌な顔をする夏芽だったが、やはりこれに対しても素直に首を縦に振る。
……
「昨日のことだが…見た目より美奈子の首や顔のアザは酷くなかった…だからそんなに心配せんでいい…」
次郎は、ここでも美奈子と夏芽を気遣う演技を続ける。
「それでも仕事は休むよう言ったんだが、休めば他の人に迷惑がかかると言ってな…美奈子らしいというか…」
次郎はタバコを大きく吸うと煙を吐いた。
「というわけで美奈子は明日の朝まで帰ってこん。今日は調教ではなくお前の嫌なこと…あのガキのこととか全て忘れるくらい気持ちよくさせてやろうとおまうが…どうだ?」
こんな時に?と夏芽の表情が一瞬曇るが、拓海の名前を出され再び怒りがこみ上げてきたのか、考え直したように「うん…」と頷いた…
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