夏芽はいつもの待ち合わせ場所に行かず、一人で登校し、拓海を無視し続けた。
拓海が隙を見て話しかけようとしているのを感じ取っていたが、友達と常に一緒にいて拓海を寄せ付けなかった。
「ねえ~、最近遠藤くんと仲悪いの?あんまり話してないじゃん」
「知らない、あんなやつ」
今日は一段と関係は冷え切っており、察したクラスメイトが夏芽に話しかけるも、素気ない返答をし続けた。
結局一日中拓海と話すこともなく、放課後が訪れた。
逃げるように帰路に着くも、追いかけてきた拓海に声をかけられ…
「夏芽っ、おっ、おれ…っ!」
「……なんか用?自首するつもりにでもなったの?」
拓海を睨みつける目つきは『夏芽の部屋』でよく見る次郎に向ける憎しみの目と同じ。
そんな目を幼馴染から向けられたことのない拓海は怯んでしまう。
「もう私に関わらないで…っ、私がどれだけお母さんのこと大切にしてるか知ってるでしょ…っ!私、拓海のこと好きだったのに…」
拓海が勇気を出して伸ばした手も夏芽は払い除ける。
昨日のことを思い出しながら涙目で睨みつけ、拒絶の言葉を吐き捨て、拓海の前から逃げるように走り去った
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