(…ん?拓海の靴…?)
帰宅し、玄関のドアを開けた先に脱ぎ散らかされた拓海の靴が目に入る。
普段家に来たときはきちんと揃えているはずだが、何か慌てたような雰囲気を感じる脱ぎ捨て方。
『家に来るなんて聞いてないけどな…』なんて考えていると、リビングから物音が聞こえ…
「お母さーんっ、拓海いるのーっ?」
本日家にいるはずの母に玄関から問いかけたが、
「嫌ァッ!!助けてッ!!!」
その瞬間大好きな母の悲痛な叫びが聞こえ、靴を履いたままリビングに駆け出す。
勢いよくリビングの戸を開けたところ、着衣のまま縛られ、汗や精液で汚れた美奈子の姿があり、下半身裸で立って固まっている男がいて…
「ひぅ…ッ!?……た、拓海…?」
(何これ、どういうこと…?拓海とお母さんが…、なんで…?縛られているってことは…)
乱れた母の姿と、幼馴染の姿に息を呑んで、夏芽も固まってしまう。
目を見開いて二人の目が空い、拓海が弁明しようと口を開いたが、被せるように美奈子が「助けて…っ!」ともう一度叫び、夏芽を煽り立てる。
走り出して拓海にタックルして突き飛ばし、美奈子を庇うように間に割って間に入る。
「拓海…、何してたの…っ?そっか…、今日バイトかどうか聞いてきたのってそういうことだったんだ…っ。…嫌っ!やめて…っ、それ以上近づいたら、け、警察呼ぶ…っ」
怒りに震えつつも、ゆっくりと事態を呑み込んでいく。
様子がおかしかった拓海の様子に加え、現在の状況。
夏芽から見れば拓海のレイプ現場にしかあり得ず、普段なら拓海がそんなことするわけがないと信じられたかもしれないが、犯された最愛の母の姿や、痛々しいアザや首絞め跡を見てみれば冷静にはいられなかった。
弁明しようとする拓海にスマホを取り出して通報をチラつかせて黙らせ、睨みつける。
「早く出ていって…っ、うるさい…っ、うるさいっ、早く出て行けッ!!」
大好きだった幼馴染ももはやレイプ犯にしか見えず、癇癪を起こしたように叫んで弁明には聞く耳持たず、落ちていた制服のズボンを拾って投げつける。
「ありがとう…、夏芽ちゃん…。」
ソファの上でぐったりしている美奈子に抱きついて泣きじゃくる夏芽に少し罪悪感を覚えつつ、演技を続ける美奈子。
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