「いーや、泣いてたもん。でもね、なんだか嬉しかったんだ、こんなに心配してくれるんだって」
他愛もない会話をしながら昔を思い出していく。色んなことがあった大切な思い出を懐かしみ、ゆっくりした時間を過ごす。
「あはは…っ、お城作るってことで、初めて会ったんだよね。あれから大人になったし、今ならもっとすごいの作れるかもね」
砂場でお城…と聞いて思わず笑ってしまう。
懐かしい出会いのきっかけ、公園の中央の方にある砂場に歩いて行くが、先客の子供がいて
「ぁ、こんにちはー。端っこのところ一緒に使わせてね」
子供に軽く声をかけ、砂場の端の方に拓海と陣取る。
子供の男の子が遊んでる辺り…、あそこであの夜おしっこしたんだ…、そう思うと冷や汗が流れ、顔色が少し悪くなって行く
「ぃ、あっ、なんでもないよっ!大丈夫…、大丈夫だから…。それより道具とかないけど、上手にできるかなあ…」
少し様子がおかしくなった夏芽を心配する拓海だったが、なんでもないと答えて砂場に視線を落とす。
しゃがんで砂を両手でかき集めたりしていると、男の子からの視線を感じ…
(なんかあの子チラチラ見てるな…、いきなり来たから驚かせちゃったかな…)
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