夏芽が足音を忍ばせ自分の部屋へと行きドアを開け明かりをつけた瞬間、声にならない悲鳴を上げて手に入れ持っていたリュックを床に落とした。
灯りの下に次郎がいた。
「おかえり…夏芽…随分と遅かったじゃないか…今まで何をしてたんだ?言われたようにドラッグストアで浣腸は買ってきたんだろうな?」
次郎は夏芽が拓海と遊んで来たことも浣腸を買ってきてなあことも承知で、敢えてこえを抑え訪ねた。
怒鳴られるよりかえって不気味で夏芽は震えあがった。
「ご、ごめんなさい…」と詫びる夏芽…どんな罵声を浴びせられるかと身を縮めていた。
「なんだ…買ってきてないのか…仕方ないやつだ…」
てっきり叱られると思っていた夏芽だっただけに次郎の態度に不安さえ覚えた。
「それじゃあ…今から買いにいくか…他にもカイタイものがあるし…夏芽…お前もくるんだぞ…」
言いつけを無視した夏芽が断れるはずもなく、制服のまま次郎が運転する車に乗り込んだ。
車は、ドラッグストアのマエヲ通りすぎ、大通りから離れていく…何軒かの飲み屋が軒を並べる裏の路地に車は止まった。
「ここだ…この店は槌の馴染みのとこでな…いろんなもなが揃ってる…」
次郎が車を降り向かった店には、毒々しいネオンがともり、見るからにいかがわしい雰囲気だった。
「大人買いおもちゃ」その言葉が目に入り夏芽は、その場に立ち尽くした。
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