…あ、まなちゃん?わたし。
「のんちゃん?どうしたの?」
うん、この間ね?懐かしい子にあったんだ、誰だと思う?
「…うーん…だぁれ?」
なんと、さあやだよ?
「ええ?さやちゃん?じゃあゆきちゃんは?あの2人仲良くてずっと一緒だったでしょ?」
うん、たまたま来れなくてね?ずっと言ってたよ、姫にまた会いたいって!
「んもう、相変わらずだなぁ…その呼び方。でもまなも会いたいなぁ?ウチの王子様も連れてね?」
そうだね、会おうよ?りっちゃんの予定合わせてさ、そっちで。みんなで行くよ?その時ばかりはけんじのとこいくのはついでかな?
「…のんちゃん、声弾んでる。幸せそう…よかったぁ…」
…うん、あの時は本当にありがとう。あのきっかけがなければわたしはまだ今頃…
「あ、暗いのなし!なんにしても、まな楽しみにしてるね?りっちゃんにも伝えとく!」
うん!わかった!それじゃあね!
(ほんとうに…ほんとうに穏やかでしあわせな日々。少し前に高田くんが示した心配も杞憂だよと笑うくらい、紀子は今までの自分が嘘の様な夢のような日々を送っていました。
服装も好みのロング丈が中心の落ち着いたものに戻し、お化粧も薄めにして…本来の紀子もまた、まなみや律子にひけをとらない綺麗さがありました。
この日はまなみに連絡をとり、さやかとゆきが会いたがっていたこと、その2人と会う約束をしようと連絡をとります。
ですが、その約束の裏には、執拗にまなみを狙う関根の陰謀が…そしてその頃美由紀は…)
「…なんだろ、アタシ…この間からおかしい…
関根さんにあんな風にされるのなんていつもの事なのに…なんか…なんか…」
(突然大泣きしてしまい、関根に置いて行かれた数日後、美由紀は部屋で1人、あれから沸いた違和感を胸に抱えながら、ボーっと天井を見ながらひとりごちます。
…満たされない。道具みたいにされても、関根に構われるだけで嬉しかった。抱かれるだけで幸せだった。乱暴に扱われる度にお腹の底から快感が湧き上がり、痺れるほどに気持ちよくて…
でも…この間の…舌打ちしながらアタシを見下して出て行くあの目…怖い…
あの後次の日にも呼び出されて抱かれた。でも…なにか違う…気持ちいいんだけど…上り詰めそうになる度にチラつくあの目…)
ピロリィンッ!
「っ槌…なんだ、さやかか…
メスイヌちゃんと…会う約束した?まなちゃんとりっちゃんも一緒に岡山で…?
…なんかもう…どうでもよくなってきちゃった…」
(携帯をベッドに投げ出し、ゴロンと寝返りをうちます。満たされない想い…棘の様に胸につかえる違和感…原因は…アイツだ!あの別人の様に芯の通った強くて優しいあの目に怯えてから、全ての調子が狂ったんだ!あの目がなれけば!あいつさえいなければ!紀子をメチャクチャに壊してボロボロにして、また沼の底に叩き込めば、モヤモヤも晴れるんだ!
自分に芽生えた気持ち、変わりたいと感じ出した無意識の変化、それと現実との苦しみを、美由紀はあろう事が紀子に吐け口を向けます。そして携帯を握りしめるとさやかに…)
『予定がわかったら教えなさいよ?
でないと今度はアタシがあんたの愛しのゆきをメチャメチャに犯してやるからね!関根さんに男を仕込まれて、アタシが女を仕込んでやるんだから!』
『関根さん?メスイヌたち、みんなで近々会うんだって!お目当てのおっぱいおっきい子も、生意気な女も一緒だって!さやか達使って誘い込んでメチャクチャにしてやろうよ!アタシやっぱり、メスイヌ許せない!ボロボロにしていいでしょ?』
「ぜんぶ…ぜんぶアンタのせいだ、紀子…覚悟してなさいよ?」
【まわりは皆、違和感を感じています。紀子たちは懐かしさと嬉しさで、その違和感が見えていません…話を聞いたゆうすけさんもしゅんくんも…ただりっちゃんだけは一抹の不安は抱えています。
そしてみゆきちゃん。変わり始めてる自分の気持ちが受け入れられず、矛先を間違えて…
だんだんと雲行き怪しくなりますが、大丈夫だからね?】
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