関根の一件の後、紀子とお互いの住んでいる場所に行き来して愛を大切に育んでいた。
毎日紀子と連絡を取り合い、次に会える日を楽しみにして毎日を過ごしていた。
そして約束した日に紀子を待ち合わせ場所に行くといつもの様に紀子が俺を待っていて、俺に気づくと満面の笑顔で手を振っていた。
「ごめん、待たせたね?」「大丈夫だよ?」と話ながらいつもの様に手を繋ぎ歩き、デートをした。
その会話の中で紀子が先日小学校の同級生のさやかと会ったのと楽しそうに話す紀子が俺と付き合っていると教えたって言われて…
「えっ?さやかちゃんに付き合っていること話たの?…いや、ダメってことないけど…ただ単にあの頃の事を知っている娘に知られたのが、何か気恥ずかしいと言うか…」と頭を掻きながら照れくさそうに答えた。
更にまなみちゃんやりっちゃんの近況も話をしたと聞いて、言い知れぬ漠然とした不安が胸が中を占めた。
いやでも関根は紀子と関係を切ったから、まさかそんな事はないだろう…
と不安な気持ちを打ち消す様にして、「まなみちゃんはともかく竹田は今どうしているんだろうなぁ?」と話を変えながらデートを続けた。
まさかさやかちゃんが美由紀と関根の毒牙にかかっているとは夢にも思っていなかった。
今はただ紀子の身体と心に溺れ、冷静な思考を持ち合わせていなかった。
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