【一日おいて、昂りまくったりっちゃんの感情は少し収まりました。のんちゃんの方は時間を進めていきますね。】
『けんじ、今から家をでるよ?』
…っと。さて、行きますか!
(結局、心配されまくった高田くんに押し切られ、会いに行く日はわからないように近くにいてもらうことにしました。ただ、それによって紀子自身も相当気が楽になりました。
この日は関根に呼び出された日。紀子は暖色系のブラウスにカーディガン、会う日には決して履けなかったロングスカートを履いて行きます。高田くんには待ち合わせのすぐ近くのお店で待ってもらい、完全に別々に動くことに。家を出てすぐ、まなみからラインが…)
『のんちゃん?気をつけてね?無理しちゃだめだよ?何かあったらすぐ行くからね?』
『まなちゃん…ありがと。いってきます』
「あ、きたきた!…?あれぇ?メスイヌちゃんどうしたの?そんな格好で。そんなスカート長かったら、お漏らしした時汚しちゃうよぉ?」
…どうも。お構いなく…
「…え?メスイヌ…ちゃん?」
(からかうつもりで絡んできた美由紀に対して、静かに笑みを浮かべてスルリと横をすり抜けます。いつもはオドオドして、胸やお尻を触られてびくびくと感じていた紀子。ところが今日は自信をもって背筋をピンとはり、じっと関根を見据えています)
「…おい、なんだその格好は。着替えてこいよ」
…いやです。これがわたしですから。
「なに?おい美由紀、紀子こっちに連れてこい」
「はぁい。…きゃっ!」
(肩を掴もうとした美由紀の手を、紀子ははたいて退けます。バシッと乾いた音が響き、驚いて紀子を見る美由紀。紀子はそんな美由紀には目も暮れず、ただまっすぐ関根だけを見据えています)
…今日は。お話があって誘いにのりました。
もう…もうあなたとの関係は終わりにします。
「なに?おまえ、自分の立場がわかってんのか?」
はい。
「あの写真、ばら撒くぞ!」
…ご勝手に。あなたにそれができるのならね?
(紀子は胸ぐらを掴まれます。関根に睨まれて脅されても、その顔色を変えずにしっかりと関根の目だけを見て。関根にも紀子の変化はわかりました。たった少しの間見ないだけでしっかりと自分を取り戻した大人の女性の顔をしていたからです。それは関根を瞬間怯ませるほど…)
あなたがわたしのいやらしい動画や写真をばら撒くのなら勝手にしてください。ですが、もしそんなことしたら、わたしもそのつもりで動きますから。
今までわたしにしてきたこと…強姦めいたこともされましたよね?さんざん犯して酷いことして…
(言葉の意味がわかったのか、一瞬顔色を変える関根。紀子はすかさずたたみかけます)
…この子共々、人生棒にふるつもりがあるなら好きになさい。今ここで服を破いて、めちゃくちゃにすればいい。
そのかわり、わたしは徹底的に戦いますから!
わたしはもうひとりじゃない!あなたになんか…もう2度と屈したりするものか!
さあ!どうするの?はっきりしなさいよ!
「せきねさぁん…あたし…こわいよぉ…」
(関根の目と鼻の先で強く凄み返す紀子。そのあまりの変わりぶりに、美由紀は負けてしまい関根の背に隠れて怯え出します。しばらく続いた無言の時間。関根はその手を払い除けると…)
「…好きにしろよ!」
「あ!まってよ、せきねさぁん!」
(苛立ちでごまかして捨て台詞を吐いてその場を立ち去る関根。美由紀も紀子をチラチラ見つつ慌てて追いかけていきます。2人が見えなくなると同時に、ペタン…と紀子は座り込みます。
程なくして、あまりに心配になった高田くんが注意深く様子を伺いにきました。すると、座り込んで丸まっている紀子の姿が。咄嗟に駆け寄り、紀子を抱きしめます。)
あ…けん…じ?
おわった…よ?もうアイツ…わたしに関わらないって…よかった…よかったぁ…
(抱きしめた瞬間からガタガタと震えが伝わってきました。紀子は笑いながらも涙をこぼし怯えた表情で…)
わたし…がんばった…
こわかった…また…ながされて…ひどい事受け入れそうになった…
でもね?けんじが…いてくれて…勇気振り絞って…
こわかった!こわかったよおおおおおっ!
うわあああああんっ!
(抱きしめられた胸の中で大声で泣く紀子。ようやく解放された安心も手伝って、高田くんに抱きつき、涙を流したままキスをします。力一杯抱きしめて…それが束の間の安堵だとは知らずに、気持ちの落ち着いた紀子は、高田くんの腕にしっかりと抱きついてその場を後にしました…)
「…あのアマ。なめた事しやがって…まだこっちにはいくらでも手はあるんだからな、おぼえてろよ。
…結局おまえはいつまでも俺のオモチャなんだよ…」
【ちゃんと救いは用意してますよ。おおかたの流れは、あなたの妄想とおなじですよ?あたしの方がちょっと酷いかな?と自分でひいちゃってるくらいのを用意してますから…】
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