りつ、おかえり。
「ただいま、まな…」
(籍だけ入れよう。そう2人で決めた事を、律子はまずまなみに話しました。
いつものようにはしゃぐ訳でもなく、落ち着いて一言ただ「そう…おめでとう」だけ。律子にしても不思議と物足りなさはなく、それ以上の言葉は入りませんでした。
そして届の保証人の相談にと、律子たちはまなみの家に。穏やかに深く愛するように微笑んで、まなみは律子を迎えます。深く溶け合い一度一つになれた2人。余分な言葉は必要ないのかもしれません。
子供たちの相手は気を利かせてしゅんくんがしていてくれました。ゆうすけさんが帰るまでの間、ふたりは並んで話をします)
…どうしたの?籍だけ先に入れるって…式ちゃんとしてからって言ってたじゃない?
「うん…気持ちの変化…かな?しゅんいちは絶対にあたしから離れていかない。あたしも誓ってあの人は離さないんだけど、やっぱり早く形がほしかったの。あたしはあの人の、ただ1人のものなんだよっていうね…」
…そっかぁ…とうとうりつが、りつの花を咲かせる時が来たのかなぁ?根っこのまなとしてはすごく嬉しい…でもなんか…フラれた気分…
「ばかね…そんなわけないじゃない…」
わかってるよ?ともかく、ホントにおめでとう。
で、保証人の相談って…ゆうすけにお願いするの?
「ううん…それも考えた。
完全に吹っ切れたとはいえ、あの人はあたしにとって兄みたいな父みたいな人…だけどあたしはね…」
『あ!パパかえってきたー!おかえりーっ!』
(その先を口にしようとした時、ゆうすけさんが帰ってきました。ゆりなが飛んでいき、飛びつきます。これ以上ないくらいに綺麗になった律子が少しはにかんで…)
「…おかえり…ゆうさん…」
(どう吹っ切ったとしても、ゆうすけさんを見るとドキッとしてしまう。そうじゃないともう確信しても、これだけは…そっとその気持ちを胸に仕舞い込んで、律子は切り出します)
「ね、ゆうさん?あたし…しゅんいちと籍だけ先に入れる事にしたんだ。それで、届の保証人なんだけど…片方は星野の方のお義父さんにお願いしようと思う。あともう片方なんだけど…」
(ゆうすけとまなみの手を握り、律子は目を細めます。)
「…宮島のおじさまにお願いしたいんだ…両親ともに亡くなったあたしにとって、父と言える人は、相応しい人はあの人しかいないから…だめ…かな?」
なぁんだ!そんなことかぁ…やけにタメを作るからもっと神妙なのかと思っちゃったよ。
お父さんなら大歓迎だと思うよ。りつのお願いなら、たぶん涙流して喜ぶと思う。ね?ゆうすけ?
そうだ、今度の連休、予定合わせて久しぶりにあっち行かない?直接会ってお願いしちゃいなよ、りつ?
「あ…あたしは…その方がありがたいけど…みんな、いいの?」
【おまたせです。
ちょっと帰省してみたくなりました。
りっちゃんにとっても、まなちゃん家は実家なようなものですからね?しゅんくんもみんな一緒で!】
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