僕はシャワーを浴びて新しく出来たイタリアンの店に律子を誘うと「…イタリアン?いいね、いこいこ!まだ時間たっぷりあるし、デートしょ?」と言って律子が着替えに行った。
律子はいつも通り軽めの化粧にラフな格好で現れ「…やっぱり…もっとおしゃれした方がいいかな?」って恥ずかしげに言う律子。
もう律子は可愛すぎ!そうでなくても充分綺麗で可愛いのにこれ以上おしゃれにされたら…
って思い、何も言わず抱きしめた。
店に向かって並んで歩いている時、律子は僕の腕に両手で抱きついて「…ねぇ瞬一?あたしって…そんなに存在感ないかな?」「そんな訳ないだろ?…あれだけの事して存在感ない訳ない…そりゃ今は少し休んでいるけど、また復帰したら前みたいに騒がれるよ?」「…そりゃ騒がれたくないけど、少しくらいさ「あれ、あの竹田律子じゃない?」って言われてもいいと思うのにな?」と話ながら律子が冗談交じりに笑って言うと僕の首に抱きついて「…あたしは瞬一だけが見てくれればいいんだ。だから、いまとっても幸せ…」と言って頬にキスして…
どぎまぎしている僕を残して小走りに僕の前に行く律子。
「待って律子ちゃん…僕はずっと律子の事見ているからね?」と言って律子の手を取り、手を繋いで一緒に並んで歩き、目的の店に行った。
店はほどほどに混んでいて、店内の雰囲気もイタリアのナポリ街にいる様な雰囲気がしてとても良かった。
食事も本格的なピザ窯で焼かれたピザが絶品でパスタも美味しく、値段も意外とリーズナブルで、今度時間があれば赤ワインもゆっくり律子と飲んでみたいと思わせる良い店だった。
店から出て律子と「ああ…ホントに楽しかったぁ…ご飯も美味しかったし、ただぶらぶらするだけが、こんなに楽しいって思えたの初めてかも…瞬一ありがとね?」「いやいや…僕だって律子とこんな風にただぶらぶらしてるだけなのにこんな楽しいって思えるなんて…僕の方こそありがとうってお礼を言いたいよ?」「…あたし…あなたのお嫁さんになれるの…すごく嬉しい…」「律子…」と話ながら僕は顔を赤くして律子に見とれていた。
前から律子は綺麗だけど、そんな風に言う律子は眩しいくらいとても綺麗に見えた。
やがて夕方になり、律子と一緒に歩いているうちに自然と足がいつものグランド脇の公園へ向かい、子供の頃に戻った様に遊具のブランコに乗り、ゆっくり漕いでいると…
「…ね、瞬一…」と声をかけられ、ブランコを漕ぐのを止めて、律子の方を向いて「どうした律子?」「式挙げる前に、届けだけ出しちゃおっか?
…あたしの気持ちはとっくに決まっている。
この先一生揺らぐこともない。あなたのおかげで、ゆうさんへの気持ちもふっ切れた。
今のあたしにあと残っているのは、この裸の心のままあなたに飛び込んでいくことだけなんだ。」と律子が顔を赤くして俯きながらブランコを漕いで言った。
僕も顔を真っ赤に染めて「そ…そうだね?式挙げる前に入籍…律子ちゃんが望む…いや!早く僕は律子を僕の奥さんにしたい!」と言った。が…
風のせいか律子には僕の声は届かず…
「あくまで式は式。あれはお披露目だから…
あたしはね…ホントは今すぐにでも、あなたの妻という…形が欲しいの…
だから、あらためて言うのもなんだけど…その…」と律子が漕いでいたブランコが自然に止まり…耳まで赤くして俯いた律子が意を決した様に僕の方を真っ直ぐ見て頬を紅く染めて…
「…瞬一?あたし…あたしの全て…を…あたしの命…未来…全部…もらって…くれますか?
好き!愛してる!だから!
…気持ちだけじゃなく、あたしを…あなたの妻にさせてください…」とても気持ちのこもった律子の告白?に僕は身体が芯から震えた。
僕はしばらく俯いた後、ブランコから降りて律子の正面に立ち「律子?ありがとう。
とても嬉しい…僕、星野瞬一は貴女、竹田律子の全てを生涯をかけて守り、愛します。だから是非とも僕のお嫁さんになって下さい。」と律子の瞳を真っ直ぐ見てはっきりとした口調でもう一度律子にプロポーズをした。
「律子それじゃ先に婚姻届を2人で出そう!
保証人は誰にする?誰が良いかな?
やっぱりまなさん夫妻かな?」と言って、律子を背後から抱くようにしてゆっくりブランコを漕いで話をしていた。
【まなみさん、僕も律子ちゃんの告白にすごくドキドキしました。
気持ちのこもった返事ありがとうございます。
今回お待たせして、ごめんね?
さて、これからはりっちゃんとしゅんくんの結婚式かな?
いよいよラストが近づいてくる気がしてドキドキしています。】
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