…なぁにぃ?しゅんいち…じっと見て…
(まなみと2人溶け合った夜から数日が経ちました。ゆりなが「かっこよくてかわいい」と評したように、凛とした可憐さの中に触れば埋もれるほどの柔らかさを備えた律子。外見は変わらないのですが、纏う雰囲気が柔らかいのです。
頭では理解していても、目の前の律子の姿に戸惑いを覚えて、しゅんくんは思わずじっと見つめてしまいます。)
んもう…恥ずかしいよ…
この間ゆかりさんも言ってた。あたし…そんなに変わったかな?
…まなが、いつもあたしの腰に抱きついてるような感じがする?…そう、だね?確かにあたしもそんな感じするんだ。りつ、りつーっ!って子犬みたいに…
(淹れてくれたコーヒーを飲みながら穏やかに笑う律子。2人それぞれ半分をお互いに宿しながらも、その宿り方は違うようです。完全に自らの内に同化する事を望んだまなみと、溶け合いながらも違う存在として側にいて…と望んだ律子。
やはりわからない…と複雑な顔をするしゅんくんに、律子は寄り添い肩に頭を預けます)
…あたし、無意識に家族の愛を求めてるのかもね?
あの子は直前の堕ちもあったから、半分のあたしと完全に一つになって、あたしは早くに家を出てひとりの時間が長かったから、半分のまなに寄り添ってもらう事を選んだ…
もちろん、しゅんいちが世界一大事。愛してる。
それでも…やっぱりまなとは…大事な繋がりがあるんだよね…小さい頃から、気がつけば隣にあの子がいて、いつも笑ってくれてた。これからも…
しゅんいちと、あたしの中のまな、ふたりが支えて押し出してくれるから、あたしはこれから頑張っていけるって思うんだ。
(ほんとうに…ほんとうに穏やかに目を細める律子を見て、しゅんくんは複雑な想いにかられます。まなと繋がりはよく知っていて、その時間の差は埋められない事もわかっています。それでもその積み重ねの時間を跳ね飛ばすほど濃密な繋がり自信をもっている。でも、自分にはこれ程までの穏やかな笑みを引き出せるのだろうか…
なんとも言えない表情に気づいて、律子はその頬に手を添え、自分の目の前に引き寄せます。)
…?なんて顔してるの?妬いてるんだ…
バカね?相手は形のないまなだよ?雰囲気しか感じないじゃないの…
あなたの隣にいるから、あたしは安心して全てをさらけ出してるんだから。すべてはしゅんいちがいる前提でできてるんだよ?あたしという人間は…
…それでも…って思うんなら…
あたしの中のまなの心も…あなたが奪ってよ?
あなたがいだく幻想のまなとあたし、ふたりまとめて…抱きしめて、あなたのものにして?
…っ…んんぅ…
(そのまま唇を重ねます。顔を撫でてそのまま腕を頭の後ろに回してより深く重なり、どちらともなしに絡めた舌は甘く、時折甘く吐く律子の吐息は、仲直りのキスをした時のまなみの息遣いでした…)
【りっちゃんがまなちゃんに求めてたものってなんだろうと考えてました。溶け合った重なり方がふたり同じなのも良いのですが、深層的な所での願望が宿り方の違いになるのも面白いかなというか2人らしいかなと…
いわば憑依型のまなちゃんと召喚型のりっちゃんでしょうか?どちらもちゃんと混ざり合っているのですが、肌に仕草に感じる特徴はそんな感じです。
ゆうさんは、1人の中の2人を相手しました。
しゅんくんは、2人になる1人を抱いていきます。
ひょっとしたら…3人になるかもしれないですね?】
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