【2】
ね、こんな時間からこんな所来ちゃって…帰りの電車無くなっちゃうよ?
「それなら、朝までここにいようよ?よくあるじゃない?えっちしないと出られない部屋みたいな感じで…」
うわぁ…例えがストレートすぎて引くわぁ…
「うるさいっ!じゃあゆきはどう例えるの?」
わたしは…実は自分も一目惚れだった愛してる人と死んじゃうくらいイチャイチャしないと出られない部屋…?
「乙女チックにしただけで、結局変わんないんじゃないかぁ!ばかっ…」
(恋人繋ぎで両手同士握りしめたまま、2人はベッドに倒れ込みます。シャワーの事も考えずに唇を重ね合い、さやかはゆきのブラウスのリボンを口で咥えて解きます。)
…あっ…さやか…荒々しい…
…性…同一性障害…?
「最近…ね?身体と心がズレてる感じがよくしてたんだ…鏡で見る自分の裸に違和感を感じるようになってね…他にも自分に女を意識すると具合悪くなって…調べてみてもらった…」
(15の冬。さやかは1週間以上学校を休みました。
さすがに心配になったわたしは、見舞いに訪れた本田の家でうずくまりベッドの上で小さくなっているさやかから話をききます。
テレビやネットでしか聞けない話を、他でもないさやかから聞きました。震えて丸まるさやかを、わたしは後ろから抱きしめます)
「ア、アタシね?身体は女子だけど、精神的には男子なんだって。前に高田に男女!て言われたことあったけど、あれ…ホントのことだったんだ…」
さやか…
「離してよっ!どうせゆきもアタシにドン引きして、愛想尽かしてどっかいっちゃうんでしょ?」
…そんな事しない…わたしは、あなたとずっとさがしてたわ…わたしの全部をかけて愛したい人が…
「ゆき、」ふ
それにね?
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