【お待たせです。あらためてこちらでお願いしますね?】
「まな、着いたけど、具合は大丈夫?」
うん!りっちゃんいるから平気!それにみんなも控えててくれるから。
…それにしても、りっちゃん可愛い!
「んもう!まな?真面目にやるの!」
まなは真面目だよお。
(あれから、高田くんが実家伝いにのんちゃんに会えないかと連絡をとってみました。いきなり難しいかと思っていたら、あっさりとのんちゃんと連絡がとれて会おうという事に。待ち合わせにはまなみと律子の2人で、あとのみんなは近くで待機です。
まなみがキラキラと目を輝かせる先の律子は、いつかの紫陽花のワンピース。髪を片方留めてすらっと立つ姿は、まなみでなくてもときめきます。
ここでもまた、「竹田律子…?」と囁かれながら見られているようですが、当の律子があまり気にしていないのと隠す事なく堂々としているお陰で、それ以上の詮索はされていないようです。
いちゃいちゃと腕に抱きつくまなみをあやしながら待っていると…)
「あの…すみません…ちょっとお聞きしたいのですが…」
…はい?どうしました?
「いえ、ちょっと道を聞きたくて…」
あ…ええと、まいったな…まな…わたしたちも地元じゃないんでわからないんです…
「そうですか…」
(話しかけてきた女性は紺のブラウスに白いフワッとしたミニを着て、柔らかく笑みを浮かべながら道を尋ねてきます。まなみは親切に対応しています。
なかなか切り上げようとしない様子に、最初に気づいたのは律子。声をかけようとしますが目配せされます。
それでも気づかないまなみの様子に、笑いが込み上げてきました)
…?どうしたの、りっちゃん…
「ぷっ…んふふふっ!…い、いや…なんでも…な…いよ?」
…りっちゃあん…人の前で失礼じゃないの…?
「あはっ!あははははっ!もう限界!まな、この子よぉく見てごらんよ!」
よく…?見てって…
あああっ!もしかしてぇっ!
『ようやく気づいてくれたね?お久しぶり、まなちゃん、りっちゃん?元気にしてた?』
(えっ?と驚くまなみ。それもそのはず、目の前の紀子は記憶の彼女とは全く違っていました。背も伸びてスタイルは見違えるほどになり、もともと素養のあった顔立ちも可愛いと綺麗の真ん中くらいになっていました。まなみにわかるように肩までの髪をふたつに手でまとめると、一気に面影が蘇ります。
それをみて躊躇なく紀子に抱きつくまなみ。)
のんちゃんだ!のんちゃんだぁっ!
久しぶりだね、げんきだった?すっごく可愛くなってて、まなびっくりしたよ!
『まなちゃんは…変わってないね?
…というより、あの頃のまなちゃんがそのまま戻ってきたみたい。…笑った顔見せて?
…ああ…ほんとにまなちゃんだ…』
うん。まなはみんなのおかげで…また笑えるようになったんだよ?
『そっかあ…よかったぁ…
りっちゃんは…ものすごく変わったね?
綺麗になった…雑誌とかテレビ、観てるよ?
健二ったらさ、最初りっちゃんだってわかんなかったみたいじゃない?わたしはすぐ気づいたけどなぁ…』
「ちょっと…そんなにハッキリ言われると…恥ずかしいよぉ…のんちゃんはずっとこっちにいるの?」
『うん…あれからずっとここにいる。なんか…出るに出られなくてね?ずっと…』
(その言葉と一瞬だけ曇った表情を律子は見逃しませんでした。やはり何かある…もしかしたら直ぐ近くに?そう思うと咄嗟に切り返します)
「そういえば…高田もくるようなこと言ってたわ。
いきなり顔出してのんちゃん驚かせてやろうって言ってたのに…何やってんだろうね?」
『健二もくるの?うわあ、それじゃあひさしぶりに揃うじゃない?』
「そうだよね?ちょっと連絡してみる!まってて?」
りっちゃん…たかだくん…
(後ろをむいた律子は、高田くんに連絡を入れます。繋がるや否や「ごめん、ちょっと来て?」と一言伝えると振り返り…)
「あ、たかだ?今どこ?
…今駅着いたの?あんたの計画失敗だよ?
もうのんちゃん来ちゃったよ?早くおいでよ?」
『…うふふ…健二に対する話し方、昔のりっちゃんそのままだわ?』
「うん、あいつとはこれが一番しっくりくるからね?いまさら、この間久しぶりに会ったとはいえ、変えられないよ?」
『そうだよねぇ?でも、世の中わかんないよね?健二の上司がまなちゃんの旦那さんで、それでこうしてまた…』
…?のんちゃん…どうしたの?
『あっ…ううん?何でもないよ?
立ち話もなんだからさ、健二きたらどこか入ろうよ?』
(今度はまなみが、話しながら小刻みに震える紀子の様子に気付きます。下から覗き込むように紀子を見上げると、大丈夫…と紀子はまなみの頭を撫でてあげてそのまま抱きしめます。)
『それにしても…あ、きたきた。
健二遅いよ?正月帰ってきた以来だね?
ちゃんと元気にしてる?まなちゃんの旦那さんに迷惑かけてない?』
…うわあ…のんちゃんもその様子、かわんないねぇ?久しぶりにお母さん節聞いた。なんか安心するなぁ…
(笑い合うまなみと紀子。律子は合流した高田くんに、2人にわからないように囁きます)
「…たかだ…?やっぱり…ちょっと変だよ…
なんとなく…そんな気がするんだ…」
【関根に弱みを握られているのんちゃんは、プライベートにもその干渉の手が及んでいます。もちろん2人に会う事も、「友達と会う」とぼやかしていますが、関根の知るところになっています。
そして、のんちゃんを辱めさせる関根の指示により、スカートの中には何も履く事を許されていないのです。のんちゃんの隠れた欲を見抜かれてしまい、いやらしい指示をされてその後はいつも…
でもせめてもの抵抗で、初めてだけはまだ守り続けています。】
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