(今日はみんなで座敷席。ゆうすけさんとまなみは対面に座り、そのまなみの隣には律子、律子の隣にはしゅんくんが座っていました。まなみと律子の距離感は、あのおかしくなったまなみの時と同じくらいなのに、今はまったく心配することがありませんでした。)
「…不思議ね?今のあの子たち、たぶん見てる人が1番見たかった頃を映し出してる感じがする…
ゆうすけさんは…いつのまなを見てますか?」
(ゆきやさやかたちと談笑するまなみを見ていると、グラス片手に唯がゆうすけさんのところに。先程の気持ちを、ゆうすけさんにはどう感じたか聞いてみます。)
「私は…途中で引き離されちゃったから、私が関われたであろう最後まで…あの子をみてあげられなかった…でも…いい答えが出せたみたいで良かったです…あの子の事、本当に大事にしてあげてくださいね?」
(律子がそうしたように、唯もまたひとつ区切りをつけたようです。柔らかく笑うまなみから視線を外す事なく、少し寂しそうに、でも嬉しそうに、ゆうすけさんにまなみのことをお願いしました)
「…あ、そういえばさやか?」
「なに?りっちゃん…」
「なぁにニヤついてるのよ?…ちょっとこっちいらっしゃい…話があるの…ゆきちゃん、さやか借りてくね?」
りつ…?ちょっと…いまぁ?
(お酒も入り、みんないい感じになる頃、律子はそやかの肩を組み座敷の外に連れ出します。まなみは顔を赤くして律子を止めますが、さやかは連れて行かれてしまい…)
「っ!いたたたたたたっ!りっちゃん!穏便にいこう!」
「あんたは!なんてもの持たせたのよ!おかげであたしたちねぇっ!」
「…で?どうだった…?」
「それは…その…ね?」
「よかったねぇ?…って!ちょっ!あたまグリグリ反則!」
(外から聞こえてくるさやかの声。痛がっていても楽しそうな声にしゅんくんは安心します。ゆうすけさんもしゅんくんも、2人だけの時間のことが気になっている様子…)
…そう、こぉんなのをね…?
「ええ?あたしたち…そんなの知らないよ?」
?だって…貸したげるって書いてあったよ?
「そりゃ…使ってるけど…そんなにすごいのじゃないから…」
(まなみとゆきがヒソヒソ話しながら小さい手振りで何やら長さを確認し合っている様です。ポッ…と赤くなって俯くゆきの様子を見ていると、おおよそ何をしていたのか検討がついたようで、ゆうすけさんとしゅんくんは、思わず目を合わせて苦笑いをしました。)
ちょっとさやかちゃぁん?まなもお話があります!
「まな…どうしたんだ?」
…ゆうすけさんにも…ないしょです!
「あああっ!姫まできたあっ!」
(どうやら2人が使ったペニバンは、さやかが新しく用意したもののようでした。ゆきに聞いてみると、そこまでのサイズではなくて…まなみも立ち上がると腕まくりして外に出ようとします。
ゆうすけさんは声をかけると、可愛らしく舌を出してナイショ!という仕草を残して外に行きます。程なくして2人に挟まれてさやかが戻ってきました。)
「ふふふ…ほんと…小学生がそのまま大人になったみたい…いいなぁ…」
?ゆいちゃん、なんのはなし?
「まなたちが羨ましい…って言ったの…」
…ゆいちゃんとも…いっぱいしたでしょ?…あ…
「ちょっ…まなっ!」
(思わず問題発言をしたまなみをあわてて止める唯。お互い真っ赤になって俯き、場は盛り上がります。そして楽しい時間はすぎて…)
な、なんだかグタグタになっちゃったけど…とにかく、みゆきちゃん、おめでとう!
「はい、ありがとうございます!また…身を寄せる事ができる家族ができて…わたし、本当に嬉しい…」
(その様子を見て、ゆきはさやかの袖を引きます。そうだね?とさやかも頷き)
「それじゃあ、あたしたちそろそろ…」
「あ、まって!わたしも…」
「のんちゃんは…高田といなよ?おじさんにはあたしたちとずっといたよってアリバイ作っとくから。」
「さあや…」
「じゃあ高田、のんちゃんとたまにはゆっくりしなよ?」
っ!あ、まって!さやかちゃん、ゆきちゃん!
…いってらっしゃい…
「…ひめ…うん!」
「いってきます、まなちゃん!」
「ひめ、あたしたちは…ゆきと2人でひとつの花を咲かせるよ?あたしたちみたいなのは、まだまだ色々と肩身狭いけど…」
「で…でもがんばるから!あたしとさやかの花、それぞれもちよって花束にして、ふたりの間に飾るの…」
…うん!楽しみにしてる!無理はしないでね?
疲れたら…またおいでよ?
(まなみはさやかたちをギュッと抱きしめると、送り出します。2人手を繋いで駅の方に歩いて行きました。紀子たちにも同じようにいってらっしゃいをして、2人は一行と別れます。
紀子もまた、健二くんの手を握り歩いて…部屋への帰り道、紀子は思わず立ち止まります)
「あ…ごめん…なんだか…ね?今日のまなちゃんたち見たら…胸が詰まってきて…
ものすごく…大変で辛い事ばっかりだったけど、あの2人がああいう答えに辿り着いて…穏やかに笑ってるのみたらね?私…わたし…
ゆいさんがさ?1番みたい頃を映すよって言ってたよね?…わたしには…やっぱり…あの頃の2人だった…はじめてまなちゃんとりっちゃんが友達になった頃の…それが見れて嬉しくて…」
(肩をすくめて俯き、ぽた…ぽたと涙をこぼす紀子。健二くんは抱きしめてくれて…)
「…けんじ?あの子たちのおかげで、わたしは健二とこうして一緒になれた…もうずっと…離さないからね?…わたしの花は…けんじの周りで小さな花をたくさん咲かせるの。いつどんな時も、ふと周りを見ればわたしがいるから…
…健二…ずっと一緒に…わたしと…結婚…してください…
…いまのなし!なんか感極まっちゃって!こんな勢いで言う…ましてわたしからなん…っ!」
(あわてて笑いながら誤魔化そうとしますが、その唇を奪われます。力がぬけ、自然と身体を委ねて…唇から伝わる熱で答えをもらったように、紀子はきつく抱きしめ返します)
【おまたせです。
まなちゃんが出した答えに対して、それぞれの花の咲かせ方を応えておきたくて、のんちゃんにもしっとりしてもらいました。
久しぶりに…のんちゃんとも…しますか?】
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