するとゆりなが「ねぇ、りっちゃん?りっちゃんの中に…ママがいるみたいなの…なんで?」と聞くと「そうだねぇ?いっぱいお話をしていっぱい仲良しなったからかな?…今はこれだけ……ゆりちゃんが、高校生くらいになって…それでも、今日のこと覚えていたら神戸にいらっしゃい?…その時になればわかること…全部教えてあげるね?」「うん!…ママにギュウされてるみたい!…」って会話しながら微笑んで僕を見る律子。
その笑みにまなみの面影が…唯を抱きしめているまなみの笑みにも律子の面影が…ハッとして困惑したような表情のしゅんくん。
あれだけのことをされても、普段のまなみさんなら何をされても良い!
そんな思いがあったからこそ、2人が出した答えがこの姿なのか…と思っていると
「ただいま、瞬一…」って律子が真っ直ぐ、しっかり僕を見て一言…
「お帰り…律子。」って少し涙ぐみながら微笑んで答えた。
僕も改めてまなみと律子を見て、お互いの雰囲気を纏った2人の様子に戸惑いを覚えた…
かつてまなみと同じくらい愛した律子の面影がまなみから感じるなんて…
それが2人の出した答えなのか?
そうだとすると僕は…
もちろん嬉しい気持ちはあるのだけど…もうまなみしか考えられないって決意していたのに、こんな姿を見せられたら…
まるであの頃に戻った、そんな気がしていると
まなみが僕をしっかり見て一言…
その言葉が心に染みて「お帰り…まなみ…」と僕も一言、返した。
すると側にいたゆきがその様子を見て「凄いねさやか…どうしたら…あんな風になれるのかな?」「焦らなくていいよ…あたしたちは…これから…だよ…ね?」「うん…」と話しているのを聞いて
「おじさんからも、一言良いかな?
正直、君たちのことはあの事からまなみを通してしか知らないけど、さやかさんがさっき言ってた通り、君たちはこれからだよ?まなみたちを参考にするのは良いと思う。
だけど、君たちは君たちなりの形があるはず。
まずはそこを目指した方が僕は良いと思う。」と老婆心から言った。
そして「さて!みんな揃った事だし、あらためて…」とまなみが言いかけたところで
「あ、待って…ごめん。まな、ありがと、もう大丈夫だから…」と唯さんが言って、まなみから離れると「その前に…もう1つ、吉報があるの。ね?大将?」と言って大将の方を見ると…
大将はみんなに注目されて
「今じゃなくてもいいだろ?」とそっぽ向いて言ったが…
やがて美由紀の方を向いて…「あのな…お前、今日誕生日だろ?だからって言う訳じゃないが、お前さえ良ければ、だが…正式にうちの娘に…なってやってくれないか?
うちのが…どうしてもってきかなくてよ…」と言った。
えっ…?と、ビックリしすぎて顔色を失くす美由紀。
大将は少し突然過ぎたか?と思っているみたいで美由紀の答えを待っていると、紀子が美由紀にそっと寄り添い、美由紀を励まし、泣きそうになって紀子から目を逸らし、大将を見ると奥からおかみさんも出て来て、笑って頷いた。
「はい…わたしで…良ければ…」と美由紀が答えると「うん。それで良いの、さっそくだけど、呼んであげなよ?お父さん、お母さんって…」と紀子に言われて
大将が慌てた様に「おいおい、そんな急に…」と言うと「わたし…お父ちゃん、お母ちゃん…がいい…」と言う美由紀。
大将は顔を赤くしてどぎまぎしてると沸き上がる拍手。
場が華やかに盛り上がり、まなみと律子の為だった筈なのに…
いつの間にかこの場の主役が美由紀に置き変わってしまった…
憮然とした表情をしているとまなみが僕の隣に座り、手を握って「まぁ、これは、これで?」と笑いかけられ「まぁ、まなみがそれでいいなら…」と言って手を握り返した。
するとまなみが僕に寄り添って頭をこてん…と胸に預け「裕介さん…まなを信じて…支えてくれて…ありがとう…ね?
またこうして…隣にいれて…まな幸せだよ…」って言われて、まなみの頭を優しく撫でて何も言わずギユッと抱きしめた。
しゅんくんも、律子を抱きしめていた。
【まなみさん、お待たせしました。
途中で投稿してごめん。】
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