僕はしゅんくんの覚悟を目の当たりにして、僕もまなみとの関係を…夜の営みについて話そうとした時に「あら?珍しいツーショットね?星野さんがいるって事は…律子もう来てるんだ?
裕介さんから連絡もらって、お土産持ってあの娘の様子を見に行こうとしてたんだけど…
…まなの事…?」と唯さんに声をかけられて言われ…
黙って僕たちは頷くと唯さんが何かを確信した様にしゅんくんに向かって「ねぇ、星野さん?律子はどっちを選びましたか?
まなと…前以上にひとつになるか、それとも離れるか…
まなは…あの娘は自分には律子がいないと、律子にも自分じゃなきゃダメだってずっと思っている。
あの2人は魂の根っこで繋がってて、どちらが欠けても成り立たなくなる。
今回のことで、律子が外に外に伸びようと決めて、まなは今その枝を絡めとってまた自分の中に仕舞おうとしている…そんな気が…します。」と言われて、顔色が変わるしゅんくん。
「確かに律子は外に伸びようとしている。
でも…でもあのまなみさんが…そこまで…」と狼狽えながら言うしゅんくん。
それは僕も同じ気持ちだった。
唯さんの言う通りだったとしても、あのまなみが一番大切な律子に対して果たしてそこまでするだろうか?と僕はある意味軽く思っていると
…
「ともかく!早く帰んなきゃ!
何か…嫌な予感がするんです!必ずまなは律子を求める…でも…心がお互いを向いてないなら…それは無理矢理犯すのと同じだもの…」と言う唯さんに促され急いで家に戻った。
しゅんくんは険しい顔をして先頭に立ち、家に入るとそこには律子に馬乗りになっているまなみの姿があった。
「…あ、もう帰ってきたんですか?…」と言うまなみの下に怯えて涙を浮かべている律子が目に入ると同時に「律子からどけ!まなみ!」と叫びまなみの身体を力一杯突飛ばして怯えて涙ぐみ震えている律子を抱きしめた。
「大丈夫か?律子…帰って来るのが遅くなってごめん。もう大丈夫だからな?」と言ってセーターを下げ、スカートも直して、露になっていた肌を隠して律子の頭を優しく撫でていた。
僕が入った時、ちょうどしゅんくんがまなみを力一杯突き飛ばす瞬間を目の当たりにして、まなみを思わず抱きしめた。
しかしまなみは律子の方に行こうともがいていた。
すると唯さんがまなみの瞳を見て「うそ…やだ…あの瞳だわ…ううん…あの頃よりも…もっと冷たくて…暗くて…怖い…」と言ってその場で震えて立ち竦んでいた。
僕の胸の中で暴れるまなみが「なんで引き離すの!裕介どいてよっ!あなたも律子を離してよ!」としゅんくんを睨んで叫ぶまなみ。
続けて「律子はあたしだけのなんだ!だから…だから…
だから返して!あたしの律子を今すぐ、あたしの中に返してよ!」と叫んだ。
僕はまなみを僕の方に向けて「まなみ!いい加減にしろ!目を覚ませ!
今、自分が何をしているのかわかって、やっているのか!
律子はまなみのじゃない!律子は律子のだ!
今まで守ってくれていた律子に今、まなみは何をしている?何をした?
律子はもう1人のまなみじゃなかったのか!
それなのに、それなのに…している事はまなみが一番されたら嫌な事をしているのは何故だ!
今のまなみこそ、一番今の律子に相応しくない!」と言ってビンタをした。
すると子供たちが起きた気配がして「唯さん。悪いけど、子供たちの面倒頼めるか?
今のまなみの姿…子供たちに見せたくない。」と言ってお願いをした。
そして「僕はまなみをこのまま連れ出す。このままじゃ話にならない。
りっちゃん、ごめん。もうまなみはダメかも知れない。
僕がまなみの深層心理にもっと早く気づいていたら、りっちゃんにこんな思いさせなかったのに…本当にごめん。
しゅんくんと幸せに…」と言って
暴れるまなみを抱えて家から出た。
【まなみさん…こんな感じにしか出来なかった…
子供たちにこんなママ見せたくない。】
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