僕は裕介さんの知り合いのお寿司屋の大将と共に、律子ちゃんを助けに裏口にいた男数人を大将となぎ倒しながら中に入ると…
目の前に律子の憐れもない姿が目に入り、「しゅんいち!しゅんいち!お願い!助けて!まなを!みんなを!」と叫ぶ律子ちゃん。
その声に反応して「お前ら何をした!邪魔だ!僕の邪魔をするな!」と叫びながら僕の目の前に立ちはだかる男達を投げ飛ばし、払いのけながら律子ちゃんの元へ行き、即座に側にいた「誰だ!お前は!」と僕を見て怯える様に言う男の襟首を掴み「お前が関根か!」と聞くと「違う…俺は違う…」「お前は誰だ?」「俺は…」となかなか言わない…すると「手塚…私が昔…人が怖かった時に振った人…」と律子が怯えながら教えてくれた。
僕は「そうか…だからといってこんな事するなんて、最低野郎だな!」と言って手塚を投げ飛ばして、律子ちゃんを僕の胸の中に守る様にしっかり包み込み「律子ちゃん大丈夫か?助けに来るのが遅れてごめん。」と言って僕が着ていた上着を律子ちゃんに掛けて身体を隠した。
表口から裕介さんが高田君と入って来て、まなみさんを助けて、側にいた男に「お前が関根か!この野郎!」と言って捕まえると手塚と共に身動き取れない様に縛った。
その後僕は警察が到着するまで律子ちゃんの傍らについて手を繋いで寄り添っていた。
警察が到着すると女性警察官の人が毛布を持って来てくれて、律子ちゃんの身体を包み話を簡単に聞いて、まなみさんの方に向かって同じように話を聞いていた。
やがて律子ちゃんは極度の緊張からか、僕の胸の中で眠りだした。
僕は髪を撫でながら労り、今回の件で律子ちゃんの負った傷が酷くならない事を祈っていた。
僕は今回の事件で、あれだけ律子ちゃんを守るって誓ったのに最悪の事になる前に助ける事は出来たが…律子ちゃんがこんなに傷つく前にどうして助ける事が出来なかったか?
まなみさんが裕介さんや律子ちゃんの注意も聞かなかったせい、裕介さんがもっと強く言わなかったせい…
律子ちゃんがまなみさんがピンチになった場合…必ず身を挺して守るのは裕介さんなら解っていた筈。
何故そうなる前にまなみさんを引き留める事が出来なかったのだろう?
そんな疑念が頭から離れずにいた。
やがて唯さんがやって来て、まなみさんを酷く
叱ってくれたが、なんだかんだと言っても、やはり唯さんはまなみに弱い!律子ちゃんだって同じ…
同じように傷を負ったのなら、どうして律子ちゃんばかりまなみさんを守らないといけない?大切な人だから余計なのだろうけど…
まなみさんに大切な家庭があると同様に律子ちゃんにも大切な家庭がある。
今回の事はいくら律子ちゃんがまなみさんの事を許しても、僕はそう簡単に赦す事は出来ないと思った。
そんな思いは律子ちゃんには言えない…言えば必ずギクシャクしてしまう…
まなみさんが律子ちゃんにとってどれだけ大切な存在か、良く解っている分、僕には言えない。
一番悪いのはあの男達というのはもちろん理解しているが…あの時まなみさんさえ…って思ってしまう。
そんなモヤモヤした気分のまま律子ちゃんと同棲生活を送っていると…
今までなんともなかった事が律子ちゃんの体調がおかしくなる時があり、その度に律子ちゃんを労っていたけど…
あの時まなみさんも同じような目に遭えば良かったのに…って思ってはいけない事を頭によぎったりした。
それでもようやく律子ちゃんも普段に戻り始めた時に紀子さんからの誘いがあった。
律子ちゃんは喜んでいる様に見えたが、僕はもし何かあったら…って思ってしまい、僕は少しまなみさん達と距離を置こうと思っていたが、律子ちゃんが心配で、もし何かあった時は今度こそ僕が律子ちゃんを守る!と決意していた時に裕介さんから連絡があり、あのお寿司屋の大将の店で大将からみんなに話したい事あるからと聞いて僕はすぐに参加すると返事をした。
あの大将は頼りになる人だと、あの日の行動で見て解った。
【まなみさん、しゅんくんならこう思ったんじゃないかな?って思って書いてみました。】
※元投稿はこちら >>