僕はまなみを関根の手から取り戻すとしゅんくんが手塚の首根っこを掴み引きずって来て、僕は手塚と関根の両手首を重ねる様にして結束バンドで縛って身動きを取れない様にして、改めて2人に事情を聞いていると…
大将の姿が見えなかったからか、「お前ら俺にこんなことして、只で済むと思っているのか?俺のバックには組より怖い兄ちゃんがついているんやで!お前がまなみの旦那か?ガキの頃に担任にレイプされた傷モノになった女が旦那以外の男に身体触られそうになったくらいで死んでやるって…何清純ぶっているのか知れないけど…もう少しアンタらが遅かったら、あの女の本性が見えたのによお!俺のでヒィヒィヨガっている本性が…」とふざけた事を言うから…
「おい!こら…お前もう一度ゲロ吐きたいか?それにこの竹刀で誰に何をした!ソコのお前が持って来たらしいが…人のトラウマを簡単に刺激しやがって!お前も地獄をみたいのか!」と叫び殴りかかろうとした僕をいつの間にか大将が来て「いけねぇよ、ゆうちゃん!ゆうちゃんまでコイツらの為に墜ちる必要はない!
ゆうちゃんには可愛い奥さんと子供がいるだろ?後は俺に任せてくれ。」と僕を羽交い締めにして言われ…
僕は子供たちとまなみの笑顔が目の前に浮かび…嗚咽を漏らしながら「大将…後の事…お願いします…」と言って腕を下ろした。
本当は奴らを僕の手で八つ裂きにしたかった!
まなみもそうだけど、僕の大切な家族の律子まで…律子の心の深い傷を抉るようなことをされたのだから…
だけどしゅんくんの方を見ると僕と同じ様に…いや、僕以上に怒っているのがわかり、僕がこれ以上何か行動を起こすのは間違っている、しゅんくんは僕以上に律子の事を思っているのだから…
そして大将が誰かが呼んだ警察が来るまでの間関根と手塚に散々脅しをかけた。
「この写真はもう他には隠してないだろうな?もし後で見つかるような事があると、お前らに生き地獄を見せてやるからな?」と凄んで言うと関根も手塚も恐怖の余りお漏らししたので、その写真を撮り「もし、あの写真が表に出る事があると、この写真も表に出ると思えよ!」と言ってやると2人は力なく頭を垂れて「わかりました。」と答えた。
僕は少し気分が落ち着き、改めてこの部屋の状況を見渡すと怪しげな煙と香り、そして至るところに飛び散っている液体…なんて惨状だ…まなみたちはどんなに辛い思いをしたのだろう…と思うと胸が痛んだ。
もっと強くまなみを引き留めていれば…もっと早く踏み込めていれば…と頭の中でぐるぐると自問自答していた。
やがて警察が到着して、被害者の僕たちはホールの奥にある部屋にまなみたちと連れて行かれ
犯罪の主犯格である関根と手塚。その他この犯罪に手を貸していた連中が捕まり、警察に連行され、
被害者でもあり加害者でもある美由紀は媚薬を飲まされて、乱暴された事もあり警察病院に入院する事になった。
そして僕は唯さんに全てが終わり、関根たちは警察に捕まったと連絡した。
唯さんはしばらくして現場にやって来た…異様な雰囲気のホールを抜けてやって来た唯は眉を潜めたままだった。
媚薬を飲まされて乱暴されたゆきと紀子もまた美由紀とは別の病院に入院する事になった。
高田君とさやかさんもゆきと紀子の付き添いとして一緒に病院に向かった。
唯が部屋に入ると、極度の緊張から解き放たれた律子は毛布に包まれ傍らにいるしゅんくんと手を繋いだまま眠っていた。
僕も毛布に包まれたまなみの傍らでしっかり手を繋いでいた。
唯はまなみにつかつかと歩みより「ゆいちゃ…ん…」とまなみが言い終わらないうちに…
バチンッ!と乾いた音が響き…
「なにやっているの!あなた、妻なのよ?母親なのよ?それなのに何!これはっ!紀子さんがあんな事されて、すぐに連絡もなかった娘から会いたいって…おかしいと思わなかったの?
普通なら警戒するでしょ!怪しいと思うでしょ!久しぶりの娘たちだから嬉しいのは解るわ!でもね!人の心配にはちゃんと耳を傾けなさい。まなが、裕介さんや律子の話をちゃんとと聞いていれば、今回のような事にはならなかったのよ?」ともの凄い勢いでまなみを叱る唯。
まなみは泣きながら謝り続けていて…
「唯さん、何もこんな時にそこまで…僕の言い方も良くなかったかも知れないから…」と泣きじゃくるまなみが可哀想になって唯さんを止めようと肩に手をかけようとすると、僕の手を払いのけ尚も詰めより
「私は…私は…まやや律子の事…妹だと…思って…いるの…よ?待っている間…どれだけ心配だったか…胸が…張り裂けそうになったか…」と言うと「ごめんなさいっ!ゆうすけさん!ごめんなさい。ゆいちゃんごめんね!りっちゃん!守ってくれてありがとう!ごめんなさい!本当にごめんなさいっ!」とまなみは唯と僕に抱きついて泣きながら心から謝っていた。
僕も泣きながらまなみを抱きしめて頷いていた。
あれから紀子も回復して、一番病状が中毒一歩手前だったゆきも快方に向かっていたある日…
警察から美由紀は罪を償う意志を示す一方で関根の方は他に余罪があるにもかかわらず、開き直りに近い態度で取り調べを受けていたが、大将の名前をちらつかせたら、急に大人しくなり
取り調べに素直に答えたらしい…
美由紀の方は情状酌量を考えているみたいだが、関根の方はもっと厳しく厳罰に処する方向に向かっているらしい。
それから数週間が過ぎて、平穏な日常に戻りだした頃…大将から僕の携帯に連絡があり
「あっ?ゆうちゃん?今度暇な時に店にみんなで遊びにおいで?みんなに話したい事あるから…」と言われその時はまなみと相談して…と答えて切ったが、まなみの方も紀子から連絡があって、みんなで会って、あの日のやり直ししない?と言ってきたから…
それならみんなまとめてやろうって話になって大将に話して、みんなの都合の良い日に店に予約を入れて会う事になった。
【関根編が終わるといよいよラストですね?】
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