「はい…ありがとうございます…」
改まって感謝の言葉を口にした藍美に義兄は「気にしなくていい…」と言ってくれます…目の見えない藍美を世話することがどれほど大変か…けれど義兄はそんなことをおくびにも出しません…
藍美には義兄にたいして感謝しかありませんでした。
義兄が藍美に用意してくれた部屋は窓の向こうに海が見るそうですが、今はそれを見ることができず残念でしたが、いつかは…という気持ちにさせてくれるものでした。
義兄に説明されたことを頼りに手探りで部屋を探ると夫と暮らした家で使っていたタンスがあり、その引き出しに藍美の服や下着類が以前と同じように入っていました…
義兄に下着まて見られてしまったことは恥ずかしいことでしたが、今はそんなことを言っている時ではなく、一日でも早く自分のことくらいはできるようにならないとと思いました。
退院時に着てきたワンピースから部屋着に着替えが終わったころ、部屋をノックされ義兄から声がかけられました。
「はい…それで十分です…もう着替えは終わりましたから…」
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