所謂ラブホテルの前で、袖口を掴みながら私は・・・
ユウリ
「省吾さん・・・一緒に居て下さい・・・すぐに着替えますから・・・」
省吾さん
「確かにここに女性一人で入れってのは酷だよね、一緒に中に入ろうか・・・
でも俺だって男だから、こういう場所に沖田さんのような魅力的な女性と入ったら
良からぬ欲望を抑えられないかも知れないよ・・・って冗談だから安心して・・・」
一瞬私は反応に困ってしまう・・・確かにこの状況は一緒になんてふしだら・・・。
省吾さんはそんな私の反応を窺うように見ながら・・・
省吾さん
「そんなに急がないでシャワー使って汗流して、バス使って少しゆっくりすればいいよ。
時間が余ればベットで少し休んでもいいかも・・・俺はソファで座ってるから」
ホテルの玄関をくぐると、部屋の中を示した写真の下にボタンが付いたボードが置かれており
全部で15室くらいあるようで、その内10室くらいは使用中の表示が出ている。
省吾さん
「昼間からみんな頑張ってるんだな(小声)。どの部屋がいいとか希望ある?
本当に休むだけだからどの部屋でもいい?」
私の返事を待っている・・・。
本当に休むだけ?・・・さっきからドキドキが止まらない・・・。
省吾さんが、ああ言ってくれてるんだから・・・。
そう思って自分を安心させようとするが、こんな場所で・・・。
好意のある男性と・・・二人きり・・・。
色んな思考が頭の中を駆け巡る・・・だけど・・・もし、省吾さんだったら
そんな気持ちも溢れ出す・・・。
ユウリ
「はい、どこでも良いです・・・気を使わせて済みません」
それでも、私は目を合わせる事が出来ず、うつむき答えた。
※元投稿はこちら >>