士方ACプロダクションのビル前に行くと、士方専務が外に出て待っている。時計を確認すると約束の5分前。
省吾
「専務おはようございます。お待たせしてしまいましたか?」
沖田さん
「おはようございます!沖田ユウリです、よろしくお願いします!」
とほぼ同時に声をかけると、士方専務は手を左右に振りながら
香織
「近藤さんに、貴女が沖田ユウリさんね。おはようございます。近藤さんは知ってますけど(意味深な笑みを浮かべる)、私が士方ACプロダクションで専務をやっている、士方香織と言います。今日はよろしくお願いしますね。」
ビルを振り返りながら
香織
「わざわざ待ってたわけじゃなくて、もうビル掃除始めるからって早めに追い出されちゃったのよね・・・今日の面接は近くにある貸しスタジオってところ使ってやりますから・・・ここから直ぐですから、近藤さんに沖田さん、付いてきてくださる。」
そう言って歩き出す香織、路地を二・三本通り過ぎ一本の路地に曲がると四・五棟目のビルに入っていき、受付に。
香織
「電話でスタジオ予約した士方と言いますが。」
受付
「土方さんね、窺ってますよ。スタジオは202になります。ここ始めてみたいですが、なんて作品の撮影なんですか?女優さんは後ろの豊満美女??新人さんですか(小声で)」
香織
「撮影??何仰ってるか分かりませんが。。」
受付
「守秘義務って奴ですか(笑)まあいいや。。とりあえず注意事項だけお伝えしますね。当スタジオは十分いくらの料金体系で、スタジオの扉を閉めた瞬間にカウンターが作動し、開けた瞬間にカウンターは止まります。一度開けるとその瞬間に時間貸し契約終了になりますので・・・契約終了になった時点で、係員が掃除に伺います。部屋内にある備品は自由に使っていただいて結構ですが、壊したり不衛生な使い方は厳禁です。もし壊したりした場合には、実費を請求させていただきます。以上です。何かご質問はございますか?」
そう言って部屋の鍵を香織に渡す係員。
香織
「大丈夫です。ではお借りします。行きましょう近藤さん沖田さん。」
エレベーターに乗り込むと
香織
「撮影とか何言ってるのかしら?あの方。」
省吾
「さあ・・・」
その疑問はスタジオの扉を開けた瞬間に分かった。
省吾
「こ・・・これは・・・なんてところ借りたのピンクねえさん。(あまりに吃驚して、口調がいつも通りに)」
室内には大きなベット、壁にはそれぞれの端から鎖がぶら下がったX字架、壁にかかったいくつもの鞭やおもちゃ、ガラス張りのトイレ、真っ暗なこれもガラス張りの小さな部屋、応接セットに、会社の重役が使うような椅子と机などが置かれている。
香織
「だって緊急で手配しなきゃいけなかったから・・・私もこんなところとは知らなかったのよ・・・ごめんなさいね沖田さん。こんなところ借りちゃって・・・でも他に場所もないし、外でってわけにもいかないだろうし、でも応接セットもあるからここででも大丈夫よね。ねっ、しょうちゃん。。」
省吾
「俺は付き添いできただけだからいいけど、沖田さんがなんて言うか?どうする沖田さん・・・」
沖田さんの方に向き直り問いかける。
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