私は暫くその場で動けなくなっていた。
ずっと憧れれていたアクション俳優の道・・・・。
それが、まだ希望があると言う事に・・・。
その上、異性との接触など意識もして来なかった私にまるで
白馬の王子様の様に近藤さんが現れたのだから・・・。
お尻に敷いていたハンカチーフを、私は畳んでポケットに入れた。
それから暫く、アクションクラブの玄関口で出待ちする私の姿があった。
紹介された土方ACの口コミに、少し気になる部分もあって私はまだ尻込み
していたのだった。
その上、近藤さんと一緒に行かなければならない・・・。
まずは近藤さんに声を掛ける時点で、躓いていたのだった。
毎日、近藤さんの出入に一喜一憂しながら、佇むしか私に勇気は無かった。
近藤さんに貰った、ハンカチーフも綺麗に洗濯して・・・。
徐々に、根拠の無い安心感が私の中で芽生えて行く・・・。
(近藤さんが紹介してくれる所なら・・・大丈夫・・だよね・・・)
私はとうとう、一歩を踏み出す・・・。
ユウリ
「近藤さん!・・・少し時間、良いですか?・・・」
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