近藤さんが飲料の大半を飲み終えるほどの時間が経過した・・・。
ユウリ
「そうなんですか・・・でも、私自信はあったんです・・・
私、どうしてもアクション俳優になりたいんです・・・。
どこかでレッスンする事って出来ないんでしょうか?」
熱い自分の思いを、口にしてしまう・・・。
その言葉を聞き、中身の少し残った飲料缶を両手の中で弄びながら少し考えていた
近藤さんだったが・・・。
近藤さん
「分かった・・・そこまでアクション俳優になりたいんだったら・・・さっきあげた名刺ちょっと貸して」
自分の名刺の裏面に何事か書きだした。
近藤さん
「このプロダクションの事、検索してみて。そこは養成所的なこともやってるから・・・
(プロダクション名が書かれた、名刺を再度渡す)
何かあったら、一緒に書いた番号に電話して・・・笑」
そう言うと飲料を飲み干し、立ち上がって事務所ビルに向かい歩いていく・・・。
残された私のお尻の下には、まだのハンカチが敷かれていた・・・。
オフィスに戻る近藤さんを私はただ見送るしか無かった。
近藤さんの名刺とハンカチーフ・・・。
戦隊モノオタクな私の心はときめいていたからだった。
暫くして、正気に戻ると近藤さんに聞いたプロダクションのホームページをスマホで覗く。
大きく” 〇〇 AC(アクションクラブ)プロダクション”とロゴが表示されている・・・。
まるで、今受験したばかりの関係プロダクションの様だ・・・。
読み進めると、プロダクション紹介・業務内容・代表者紹介・養成所・etc・などの項目が書かれている。
養成所をクリックすると、細かい募集要項や注意事項、などが書かれていた。
注意事項の一番下には・・・
【養成所入所ご希望の方は、面接のご予約を取っていただき、履歴書ご持参の上紹介者とご同道下さい】
と書かれている。
今度は、SNSを起動する。
近藤さんを疑う訳ではないが、口コミを見ようと〇〇 ACプロダクションで検索をかけると、何件かヒットする。
その内容は
「〇〇ACに合格できました。ありがとうございます。がんばった甲斐があった!嬉しぃよぉ!!」
「レッスン凄くきついけど頑張る(ファイト自分!)」
「詳しくは書けないけど、レッスン内容エグすぎここ・・・。」
「レッスンキツイよぉ。もうやめちゃおうかなぁ・・・・」
等々色々な書き込みが・・・。
その内容にやはり厳しいレッスンがあるんだと感じる。
しかし、私の中で少しずつ近藤さんの存在が、口コミの不安を打ち消してしまう。
その上、紹介者と同行する・・・近藤さんと・・・。
既に舞い上がってしまっていた・・・。
これが近藤の常套手段とも知らずに・・・。
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