和美が俺の前から姿を消してから、3年の月日が経過していた。
和美は大学卒業と同時に引っ越ししてしまい、逃げるように俺の前から姿を消した。
2年後、俺は知り合いの不動産社長から、管理人の仕事を請け負った。
新築マンションで若い夫婦も大勢いて、ミニスカートから覗くピチピチの太腿や、バッグをたすき掛けして胸を強調する主婦を見ると、和美の事を思い出していた。
ある日、管理人室のチャイムが鳴る。
インターフォンで応対すると、昨日引っ越しして来た主婦が挨拶に来たと言う。
ドアを開けて応対すると、主婦はにこやかな顔をして手に菓子折りを持っている。
主婦は丁寧な挨拶を俺にしてくる。
ふと、顔を見ると首に小さなホクロがある。
「和美じゃないか。」
主婦は驚いた顔をして、俺の顔を見てくる。
思い出したように顔は強ばり、俺に菓子折りを押し付けるように逃げようとする。
和美の手を掴んで玄関に入れ、ドアを閉める。
「和美、久し振りだな。まあ、入れ。」
和美の手を引き、リビングに入れてソファーに座らせる。
(もし、良ければお願いします。)
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