小夜「”はい”って言って下さらないの?胡桃お姉様・・・ふふ・・・え?何でもありません。ええと、シモーヌ様は、怖いお方だって聞いています♪その・でも・内緒なら、私たち上手くやれるって思いませんか?」
今の電車の中は完全に魔人の認識阻害空間と化している。
小夜の言葉には呪詛が乗り、安易に「はい」と応じれば
認識が狂わされてしまう。胡桃が不用意に小夜の誘いに乗って
返答しようものなら、その瞬間に正常な認知機能を奪い去られてしまう。
勿論、本人はそれすら認識出来ない。目に見えているものが何であれ、
異常をスルーしてしまう・・・それだけなのだから。
小夜「学園はシモーヌの派閥以外にも、沢山の大人たちが陰謀を巡らしているし、私たちが、こっそり仲良しになったとして、誰にも知られなければ・・・胡桃お姉様は私とお友達になるのは嫌なのですか?」
鼻先を脇に押し付け、小夜はゴロゴロと猫のように
喉を鳴らして甘えた声で「はい」という言葉をおねだりする。
小夜は、胡桃のスカートの上から股間に手を添えて
女性が恥じらう場所を、まるで恋人にするような手つきで愛撫する。
胡桃は、そんな事をしては駄目という手つきで優しくそれを払う。
そして、その払う手を、小夜の掌が滑るような動きで追いすがり、
恋人繋ぎにギュッと握る。
小夜「こんな気持ち、初めてなんですよ胡桃お姉サマ・・・私にも姉が2人居ます。でも違うんです。この学園に入学して、首席入学生としてあいさつをしているのを見た時から、ずっと憧れていたんです♪それに武術会で対戦して、私の技をあっという間に見破って♪圧倒的な強さ、憧れたんです♪たから・・・ねえ胡桃お姉様”はい”って言って下さい。でないと私、この気持ちをどうして良いか分からないんです」
小夜は脇に頬を寄せて擦るように肌を重ね、
甘い吐息を吹き掛け、強く握った掌を
自分の乳房に押し付けて・・・
ドギマギしている胡桃の鼓動が伝わってくる・・・
決定的な瞬間を逃さず狙うため、小夜は胡桃の死角に回した
もう片方の手に隠し持った注射器を制服の裾の中から取り出し、
薬品を注入するシリンダーに指を掛ける。
それは魔人の家畜を製造する際に使う禍々しい薬品。
小夜が実母に打ち込んだのと同じ蛍光色の液体で満たされている。
小夜「私の想い、受け止めて下さらないのですか?」
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