(胡桃の姉は名前を変えたのですね。気付かず申し訳ありません)
魔界が、人間の世界との繋がりを強くして既に100年。
蔓延る妖魔犯罪を取り締まる特殊技能を備えた
退魔師を養成するため政府が設立した「九天玄女学園」
義務教育の初等から大学院まで、外語、文学、理学、教育、医学の学部があり、
裏学部として10歳~20歳までの子女を所属させる退魔学部が設けられている。
一般職員と生徒を合わせれば地方都市に匹敵する巨大な人口となる事から
学園都市とも呼ばれる広大な敷地には、通学用のモノレール、地下鉄が存在している。
胡桃が使っているのは地下鉄路線だった。
早朝、シモーヌが住む超高級マンションの最寄り駅、
小夜はサポートを担当する魔人・・・華御所エリヤとともに
彼女が現れるのを待ち、偶然を装って彼女の隣に足を運ぶ。
小夜「おはようございます胡桃さま・・・えっと、パルフェタムの娘 小夜です」
魔人は、他人を装ってふたりの姿が見えるいつ後ろのドアの場所に立って
遠くから様子を窺いつつ、気取られないように周りの電車を待つ群衆から、
あのふたりが何をしても無視するよう意識阻害の魔術を菌糸のように周囲に展開する。
JC、JKとはいえ対魔忍の卵が何人も同じ駅に存在していた。
下手な魔術を使えば勘付かれてしまう。魔人は慎重に術式を編んで、
駅のホーム全体に広げ、対魔忍JKたちを尽く術に貶していく。
突然声を掛けられて、怪訝な顔を向ける胡桃。
相手をみて少し驚くが、平静を装う会釈が返された。
シモーヌから次の標的だと言われているパルフェタム対魔忍軍の
少女が話しかけたのだから、驚くのも無理はない話だった。
小夜「何度か武術会で対戦した事もありましたっけ♪貴女に勝った事はいちどもありませんね・・・ははは(^_^;)」
小夜は胡桃の表情に気付かないフリをして、冗談交じりにほほ笑みを浮かべ、
親しげなのを装って勝手に会話を続ける。
小夜「実は昨晩はお母様の遣いで都心のホテルに宿泊していましたの♪胡桃さまが、この駅から通われているなんて偶然ですね♪」
そして電車がホームに入り、ふたり並んで吊り輪を握り・・・
小夜は不必要に、その身体を小夜にすり付け、
甘えたような声で話しかける。
不感症である胡桃に、こんな小手先の手口は効かないとは思いながら、
掌を艶かしく伸ばして髪の毛にそっと触り、
偶然を装って耳たぶを甘く愛撫して、反応を探る。
小夜「良い匂りがしますね♪胡桃様は何か特別な石鹸でもお使いなのかしら♪」
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