「何でそんな事するん!?最低や!!せ、精子って!?・・・・オ、オエッ!!!」
「す、須藤君!!き、君・・・お、お前!!!僕の娘に何て事を!!ぼ、僕の・・遥に!遥にぃーー!!!」
思わず吐き気を催し戻してしまう遥。
温厚な性格から豹変し貴方の胸ぐらを掴み鬼の形相をする健吾。
。。。
そんな光景が貴方の脳内に瞬時に広がっていた。
前を見てみると、遥は赤らめた顔で大人しく自分の下で座っており、健吾はどこにもいなかった。
漸くあの光景が想像だった事に気づく貴方。
「・・・そっか・・ ・・・・・・あかんやん。」
!?
遥はキッとした目つきで貴方の目を見る。初めて見る遥の表情だった。
思わず動揺する貴方。
「あんなん・・あかんやろ? ・・・問題に・・なる事やで?・・ 考えんかったん?・・」
遥は貴方の目をジッと見つめ、尋問の様に問い詰めていく・・
思わず目を逸らし無言でいる事しか出来ない貴方。
「これが・・誰かに知れ渡ったら・・進一お兄ちゃん・・大変な事になってまうやん・・ お父さんやったら・・尚更よ・・」
呆れ気味に貴方の行く末を語りだし、憐みの目で見ている遥。
貴方はしどろもどろになり何も言えない・・
「悪戯って・・そんなん・・度が過ぎてるわ・・したらあかんやん、あんな事・・ す、好きって・・そんなん・・」
こんな形とはいえ、【好きな子】と言われ思わず恥ずかしそうに顔を赤くする遥。
遥は、男から正式に好意を告げられた事がほぼなかった。
「・・・そっか・・ そんなに・・お父さんの事・・気にしてたんや・・ そこまでとは・・思ってなかったから・・」
遥は非難するだけではなく、貴方の告白から事情を汲み取っている様にも見えた。
こんな状況でも、遥の優しさは健在なのだろうか。
「美香ちゃんの事も・・あるん? 長い間会えてないみたいやし・・ 奥さんの事とか・・ 辛い事が・・あったん?・・ 心・・病んでるんとちゃう?・・大丈夫?・・」
遥は強張った表情が徐々に和らぎ、落ち着きが見えていく。
カウンセラーや、まるで・・優しい母の様に、貴方を諭す様に話している。
「・・・・進一兄ちゃんがした事は・・ダメな事・・ 立場が終わってまう・・事や・・
・・・・・・・・せやけど・・ ああいう事をして・・進一兄ちゃんは・・・気持ちは晴れたん?」
ドクンッ!
「・・・私は・・なんか・・そこが・・気になるんや・・ スッキリできたんかなって・・」
ドクンッ!!
「お父さんには・・勝てたん? モヤモヤは・・解消できたん?・・」
ドクンッ!!!
「・・これも・・・・・飲んでほしいって・・思うん?・・ 正直に言って・・」
再びジッと見つめる遥。
それはあたかも、自身の想いや欲望、性癖を包み隠さず告白しなければ許してもらえない・・そんな圧力を感じる様な目だった・・・
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