沈黙が続いた…時間にすれば大したことはなかったが、進一には永遠に続くように感じられた。
いくら精液が大事なもので、栄養満点だったとしても、それを美容のためのパックとして使っていいことにはならない…ましてや飲ませなど…
(終わった…)
進一の頭の中で遥に罵られる自分…健吾に殺されそうになる自分の姿を想像した…
自業自得…そんな言葉が浮かぶ…
遥の様子を見ていた進一は諦めから目を伏せたが、不意に発せられた遥の声に顔を上げた。
その顔は怒りに満ちたものではなく、心の中の葛藤がそのまま顔に出ているようだ。
「…………………う…ん…」
カラカラになった喉から掠れた声を進一は絞り出した。
「ご、ごめん…遥ちゃん…謝って済むことじゃないけど…すごく…溜まってたこともあるけど…あれは…ちょっとした…イタズラ…みたいなもので…好きな子に…イタズラするみたいな…それと…小山さんに…遥ちゃんのお父さんに…勝ちたくて…」
小学生の男の子が好きな女の子の髪を引っ張ったりスカートめくりをしたりするようなイタズラだと説明する進一…そんなレベルの話ではないことは十分承知していた。
だが、遥に対する想いも健吾に勝ちたかったという気持ちも事実だった…
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