目の前で繰り広げられる仲のいい親子の会話…健吾の微笑みや言葉には遥への愛情が溢れ、遥の笑顔は健吾への絶対的な信頼が感じとれる。
もし離婚せずに今も美香たちと一緒に暮らしていたとしたら、美香も遥のような笑顔を自分に向けてくれただろうか…
進一の脳裏に美香の笑顔が浮かぶ。
傍から見ていても微笑ましい光景だったが、進一の胸に小さな痛みが走る。
健吾には、何かと世話にもなった…進一を後輩のように可愛がってくれ、恩義こそ感じていても恨みなどはない…だが目の前の光景に健吾への羨望や嫉妬が入り混じった感情が湧き上がった。
「大丈夫ですよ…小山さん。もし遥ちゃんを盗撮しようとするやつがいたらタダじゃおきませんから…」
大事な娘を守る役目を娘を盗撮している男に頼む健吾に進一は心のなかで赤い舌を出した。
遥は、2人の会話など気にしてる風もなく野球に見入っていた…
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