「だからな?私言っててん!智也君はバッティングが上手いって。監督は違う子を使おうとしてたみたいやけど。あの子はやったらできる子なんよ。
見たやろ?あのヒット!私が思た通りや。 ほんで洋二君は足が速いんよ。絶対あの子は・・~~~~~」
試合が終わってからも遥の興奮は収まらない。
貴方と対話し力説して試合内容を振り返っている。
貴方はにこやかに応じるも、内心試合の事なんてどうでも良かった。
生・・パンツ・・
その事実に貴方は打ちひしがれていた。
盗撮被害が騒がれているこの時代に遥は・・
どこかボーイッシュで活発な少女。そういった事には無頓着なのだろうか。
試合中も、あまりに無防備だった。
遥の熱い様子と画面を見比べ堪らない背徳感に浸っていた。
子供達一人一人の事を考えてサポートし応援する。そんな健気な少女に事もあろうに卑劣な仕打ちをしてしまった貴方。
罪悪感に溢れるも、何故かズキズキと胸に異様な高揚感を感じていた。
「うん!私らも負けてられへん。あの子らにパワー貰ったわ。進一兄ちゃんも試合付き合ってくれてありがとう!今度の試合も見に来てな!ほなまた!・・
智也君!良かったで!最高やんか!私ちゃんと見・・~~~」
遥は貴方に挨拶をしその場を去ると、グラウンドにいる少年達の所へ行き激励していた。
少年たちも遥を囲うように寄ってきて談笑している。
本当に・・心の優しい少女なのだろう・・
その晩、貴方は自宅に戻るとソファーに座り寛いでいた。
徐にスマホを取り出し見ている。
≪先頭打者出塁!ここからやで!≫
≪や、やったぁ!サヨナラや!!≫
室内には遥の音声が繰り返し響いていた・・
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