卑猥な饗宴は魔女が飽きるまで続く。
魔女と堕天使が放つ歪んだ快楽の波動は、
時空の歪みに隔たれた魔女の寝室に居てもなお、
アヘ声を垂れ流し、快楽によがり狂う姉の痴態を
眼前の出来事のように知覚され、
視覚を封じ、あらゆる隠された物を幻視する
イルハの瞼の裏へと強制的に映り込む。
姉への歪な愛を抱くイルハは、まさか眼の前の
セックスショーが自らの為に催されているとも思わず、
犬畜生に堕ちた姉が犯される甘美なステージを、
その終焉まで鑑賞するのを止める事もできず
脳裏に焼き付けさせられる。
通常の資格情報とは異なり、目を瞑ろうと強制的に
見えてしまうそれからは逃れる事は出来ない
あり得ない体験だった。しかし魔女の術中に
ハマリつつあるイルハはそれを罠だと疑えない。
高ぶる動悸に息遣いを荒く鳴らし、
魔女の妖気への感染に気付く事が出来ない。
眼の前で魔女はは猛禽類を思わせる鋭いな眼光を
眼の前の玩具に注がず、遥か彼方いる
イルハを真っ直ぐ射抜くようにじっと見つめ、
口奉仕天使イグレテアと激しいディープキスを交わす。
同時に下等動物同然に4つんばいに尻を突き出した姉、
アイハの股へのピストン運動を繰り返し、
何度も何度も、絶え間なく邪悪な精を注ぎ込み続ける、
(み・見られて!?いるの?そんな馬鹿な事はありえない・わよね?)
イルハの隠形術は太陽神でも、いったん身を隠せば、
目の前に立っていても気付かれない完璧さを誇る。
「意識すれは逆に気取られる」そう直感し、
こちらも魔女を見つめ返し、更に意識の奥深くに
魔女の妖術を刻まれてしまう結果となる。
更に高ぶっていく動悸、全身の神経が痺れるほどの緊張の中、
全身の性感帯がムズムズと甘い疼きの産声を上げていく。
視線で全身を縛られたような膠着状態の末、
2人の堕天使は限界まで弄ばれた末に気をやり、
その意識を果てさせる。
正常な空間ではありえないほど
永遠に続くかと思われた長い宴は、
ようやく終焉を迎え、魔女のアジトに闇の帳が降りる。
乱れた息を整え、
全身を支配した肉欲の疼きを、
イルハは瞑想の力で押さえ込み、
静寂に身体を預けて、闇の中でその時を待つ。
そして部屋の陰で見守る中、魔女は
流石に疲れたのか、寝室に現れたかと思うと
衣服をすべて脱ぎ捨て、生まれたままの姿になると
直ぐベッドに横たわり、寝息を立て始める。
闇の中、ベッドの傍らに忍び寄る人影を
紫色の異形の月光が浮かび上がらせる。
イルハは多神教を信仰する、人間の教会組織で
シスターが普段着用する修道衣をベースにした
カラーリングの濃紺と白のライダースーツ型スーツ姿。
ラテックスを思わせる光沢の強い極薄素材のそれは
まるでコンドームで全身をパッキングしたかのように
肌が透けた艶めかしい姿が、薄い月光を反射させている。
ベッドに横たわる獲物に思わず手指を伸ばす。
目に映る魔女は禍々しい黒い渦で形作られ、
小柄で豊満な肉体の輪郭を浮かび上がらせ、
天使のイルハですら「美しい身体」と思ってしまう。
ラテックスに包まれた手袋の指は
その乳房の先を軽く転がし、人差し指で
ヘソから股間でそそり立つ姉を貫いた
異性の生殖器官までいやらしくなぞりながら、
もう片方の手で両乳房の谷間に狙いを定め、
短剣で心臓を一突きに貫きし、渾身の力で神の力を注ぎ込む。
どれだけ高位の魔王クラスですら、
内臓から破裂して四散する、
天使にしては、お行儀の悪い刺殺の技・・・
「ふふ・あっけない♪姉さま、イルハはやりましたわぁ!えっ!???」
その違和感に気づき、背後からの異様な気配に
ベッドの上で身を翻して短刀を顔の前で斜めに構える直す。
しかし振り返った先に見えるのは真っ黒な闇だけ。
しかしその声ははっきりと耳に響く。
「あらあら!?大人しく暗殺されていれば、この世の地獄を味あわずに済んだのに、いけない子ですね?魔・女・神・さま♪」
バンダナを自ら落とし、
にこやかに糸のように細い眼で
微笑みを魔女に向ける。
(!?何・かしら?身体が熱い?ああ、これね?姉さま達が簡単に堕ちた理由!?でも!魔族ごときの妖術、でも姉さま達をみて対策済♪マヌケよね、魔女♪)
首筋にバンダナを巻く。
イルハの神の気を込めたその神具は
脊髄を妖気から完全に遮断する力を込められており、
体内に毒や妖気を流し込まれても
これで脊髄から脳が感染する事を防ぐ事が出来る。
まさか幻視の術を悪用されて、視覚から
既に自身の脳まで汚染済とは思いもしない。
いや、脳が侵されているからこそ思い付けもしない・・・
「魔女!姉さまたちは返してもらうわぁ♪」
得意技の隠形術の印を結ぶ。
これで魔女は眼の前に居ながら、こちらの姿を見失った。
イルハは短剣を逆手に握って振り上げ、魔女を見据える。
魔女を見つめると胸が熱く高鳴る。
動悸が激しくなり、魔女を凝視すればするほど
胸が切なく締め付けられる。
緊張しているのだと自分に言い聞かせ、
余裕の表情を浮かべた魔女の正面、
その胸の谷間に短剣を再び突き立てるべく
悠々と歩んでいく。。
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