≪耳など塞いだところで…何の意味も無い…。≫
(人間ってヤツはこれだから困る…。聞こえるのは耳からだとは限らない…。)
耳を塞ぎ響き渡る声から逃れようとしている様が、肉体を失った私には滑稽に見える
頭を振りながら必死に逃れようとする貴女を意思を無視して立ち上がらせる私
(ようやく気づいたようだが…お前に取り憑いた時点で、もう逃れる事など無理なんだよ…。)
不意に立ち上がった事に驚き、その力の主を霊だと気づいたのだろう。それを問い掛けてきた言葉には一切答えないまま、初めの一歩だけを前に踏み出させた
≪そうだ…お前は俺の命令に従って動くしかないんだ…。そのまま前に歩け…そのまま歩いて…窓辺に立て…窓…窓だ…窓…窓…。≫
繰り返される言葉
得体の知れない恐怖と闘いながら、それに抗う術を見つけられる訳でもない貴女
指示に従い一歩ずつゆっくりとした歩みを続け窓辺に立つ姿は、恐怖に怯え顔色は蒼白。足はガクガクと震え、その震動が身体中に伝わるかのようにブルブルと震えて見えた
(さぁ…お楽しみの始まりだ…お前の…その美味そうな身体を…たっぷりと辱しめてやるよ…。)
≪そうだ…言われた通りにできたじゃないか…。目の前のカーテン…閉まったままのカーテンを…左右に大きく開け…。≫
【ありがとうございます。年齢の件、了解しました。
僕の名前は『がくまざわ たける』言います。】
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