窓を開けていく手が、まるで他人の手のようでした…身体を隠すこともできずにだらんとしていた手が勝手に動き窓を開けてしまったのです。
まだ昼間は暑い日が続いていましたが、日が落ちると吹く風にわずかに涼しさを感じます…でもそれが下着姿で窓を開け放ったことが夢ではないと知らされました。
《ど、どうしてこんなことを…》
恐怖と不安…色々な感情に冷静な考えなど浮かびません…ただひとつ、どんなに拒もうとしても「嶽間沢猛」に無駄だということを思い知らされます。
向かいのマンションからこちらの様子に気づいた人はいないようです…幸いにもベランダの塀は下半分はコンクリートで通りかかる人からも見えないはず…混乱する頭でそのことを考え、ベランダへと足を踏み入れたのでした。
《む、むりです…そ、そんなこと…》
逆らっても無駄だと思いベランダに出た祐子でしたが、更なる命令には反射的に首を振ります…
そんな祐子に《俺の命令が聞けないのか?ならば大きな声でも出してやろうか?》と言われてしまいます…ここで大きな声を出したら…それを考えると祐子には何もできなくなります…
《わ、わかりました…》
誰にも気づかれませんように…そう願いながら両手を背中に回しブラのホックを外します…
(あの…人違いならごめんなさい…もしかして菅原武司さん…ではありませんか?)
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