<強風注意というやつですね。
風が強いと髪もふさぁーとなるので困りものです>
「す、鈴元気だから。だから先生来なくても大丈夫」
医者が嫌いなのと、貴方の実家に行けない、
その二つのことからぶんぶんと首を振り、貴方に抱き着く。
やがてあと三十分で部下が来るという話。
途端に自分自身の鼓動がうるさい位に早くなり、
貴方に聞こえるのではと思う程に。
「じゃあ、アイスティー用のグラス冷やすね」
ぱっと貴方から離れて、キッチンの棚へ。
「このグラスでいいかな?あっ!」
人が来る貴方と自分だけの空間に怯えて震えた手は
持ったグラスを床に落とし、
そして薄いグラスはパリンと音を立てて割れる。
「ごめんね。すぐに片つけるからー」
慌てて破片をそのまま触った鈴香の指から
すっと赤い血が流れる。
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