「…どうなされましたか?私どもの顔に、何か?」
ショウゴの右肩にはエリカの左手が、左の肩にはチアキの右手がそれぞれ置かれる。
スクリーンの前から動けないよう、力のこもった2つの手のひら。
口調だけはあくまで秘書のまま。
しかしそのエリカの横顔は、明らかに映像の中の女と同一人物で…
『はぁい、サクライ社長♪
最近残業続きで、エリカ、すっごく疲れちゃった。
貴方が社員のことを大切に想ってるのは素晴らしいと思うけど…フフッ、たまには息抜きも必要でしょう?
休息プランを提案するのも、秘書の仕事だと思って。
例えば、ほら…可愛いペットと遊ぶとか。』
クルリ、と映像の中のエリカが振り向く。
格好こそ違っているが、メイクは今と同じ、首元には社員証がかかっており、ここに潜入してからの映像だということがショウゴにもわかる。
エリカは楽しそうに微笑むと、右側の男の尻を蹴って、床に転がす。
『うふっ…ふふっ、アハハハハハハッ!
ど~ぉ?見える、サクライ社長?
これがエリーの自慢の愛犬。リュウジっていうの。
体も大きくて逞しいし、頭も良くって物覚えも早くって…クフ…ここまで仕上げてくれた、元の飼い主に感謝しなくっちゃ。
ほぉら、ワンちゃん、遊んであげる。』
倒れ込んだリュウジを見ることもせず、カメラに向かって嘲りのこもった視線を送り続けるエリカ。
適当にリードを引き、リュウジをエリカの脚元まで引っ張ってくる。
赤い首輪以外何も纏っておらず、まさに犬のような風貌の男。
カツン!とその場でヒールの音を鳴らせば、それを合図にリュウジが脚に舌を這わせはじめ…
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