ちっ…。
【ドアが開くと入ってきたのは数時間前に自分を戦闘で痛めつけたあの女、エリカ・シジョウだった。指先にセミロングの髪をクルクルと巻きつける仕草をしながらカツカツおヒールの音を立ててゆっくりと歩み寄ってくる。その姿を見て軽く舌打ちするリュウジ。】
あぁ…お陰様でな。この椅子の座り心地は最悪だがな。
【街ですれ違えば誰もが振り返るような美貌をもつエリカ。しかし、その戦闘力はシンヤやリュウジ以上…。事実リュウジもこの女性に有効打を与える事すらできず最後は太もとで顔を挟まれ窒息し、情けなく気を失ってしまった。リュウジにとっては耐え難い屈辱を思い起こさせるエリカ。】
取引?ハッ…!あんた頭の方はあまり切れないみたいだな。
その端末と俺の部下を返してもらいたいのは間違いないがかといってクライアントの情報を教える訳なんて無いだろう?
それにそんな物は今からでも力づくで…
「はぁっ…はぁっ…リュウジさんっ…もしこれを見ていたら大人しくその女の指示に従ってくれ…俺の事はいい。その女は危険だ…。俺の事に構わず早く逃げてくれ…」
【リュウジがそう言いかけた所でそれを遮るかのようなタイミングでスクリーンに映し出されたビデオのシンヤが忠告する。エリカはクスリと笑い、ゆっくりとリュウジの身体に手を這わせる。リュウジは表情一つ変えず…】
(あのカプセル…自白剤の類か…。だがそんなの俺に通用はしない…)
断る…と言ったら?
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