「あ、リッコ?
昨日はどうしたのよ。
突然電話を切るから、よっぽどショックを受けたのかと…」
昨日のことに微かに触れたために、私からの『暴言』を思いだし、怯えたように表情をひきつらせるリッコ。
その記憶のない私は、リッコの怯え方に驚き、うろたえます。
けれどリッコはすぐに表情を普段通りに戻し、私を安心させます。
もともとリッコとは歯に衣着せぬ間柄。
その信頼は、一度の暴言で掻き消えてしまうものではありませんでした。
まだ陰りが残っているとはいえ、昨日の悩みごとをとりあえず吹っ切ったような笑顔に、言葉をかける私。
「『レイ』さんと『紫帆』さんだったっけ?
二人とは会えたの?
仲直りできた?」
「…そう。
でも、気分転換できるのなら、良かったわよ。
いい男性を見つけるのは大事だけど、そればかり考えてたら、人間が小さくなるわよ。」
『あは、昨日はすみません。
でも、おかげさまでもう大丈夫ですから。』
ひとまず安心する私。
けれど、できればあまり残酷なことを言う相手とは縁切りして欲しいのに…それを言えなかった自分の不甲斐なさを憎みます。
それから、連絡の度に沈んでいくリッコ。
単純に沈むというよりも、気持ちの浮き沈みが激しく、不安定になっているような印象を受けます。
一度直接会って話をしないと!
そう思い、申し出るのですが、
『会っているところをプロフェッサーYの仲間に見られたらどうするんですか!
私なら大丈夫ですから。』
と断られ、私は一人やきもきしていました。
そのストレスのためか、お茶菓子の消費速度が上がり、以前と同じ二日に一度ペースでもらってはいたのですが、一度にもらう量が倍増していたことにも気付いていませんでした。
そしてとうとう、『レイ』さん達に男性を紹介してもらうと言うリッコ。
少し慌てて止めようとするものの、ほぼ一方的に告げられた後、電話を切られてしまいます。
「リッコ!?
あなた最近、かなり心が弱ってるみたいよ。
そんな状態で男性に会っても、いいことにはならないわ。
一度、男性も仕事も忘れて、何も考えずにゆっくり休ん……リッコ?リッコ!」
心配な電話が切られてから三日。
ようやく来た連絡に、胸を撫で下ろします。
微妙に雰囲気が変わったようにも思えますが、今はリッコが無事なこと、明るさを取り戻していたことこそが大事でした。
「リッコ!
良かったわ、無事そうで。
どう?今は元気出てる?」
紹介された男性については敢えて触れませんでした…
【あの不安定さは、ちょっとそんな気がしてました。
リッコはこれまでオナニーも知らない子だった、ということですね。
プロフェッサーYのランクは、あまり低くてもどうかと思ったので。
でも、低すぎて、そもそも私が存在を認識しておらずノーマークだった…というのも良かったかもしれませんね。】
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