『ありがとうございます。
ゆっくり味わわせていただきますね。』
『ありがとうございます。
でも、明日にはまたいただきに来るかもしれないですよ。』
「本当に柚月さんは甘いものに目がないんですから!
でも、そんな貴重なお菓子、本当によろしいんですか?」
『はい、絶対に他の人には言いません。
安心してください。』
四者四様に、佐々木さんにお礼を述べて玄関から出ていきます。
全員、お茶菓子の味を覚えてしまっており、これからも定期的に佐々木さん宅を訪れることになるのでしょう。
そして自分の部屋の前で他の三人に手を振る私。
既に夫との約束など頭の片隅にもありませんでした。
「ただいま!
ごめんなさい、遅くなっちゃって。」
『遅かったね、これじゃ出かけるのはやっぱり来週かな。』
夫にそう言われて、ようやく約束を思い出す私。
一瞬うろたえますが、その後もインストの仕事のローテーションを言い訳にして、確約はしませんでした。
今日の出来事についても、うやむやなことを言って誤魔化します。
「ええ、奥様の一人から深刻すぎる話をされて、放っておくこともできなくて。
それで色々相談にのってたの。
内容はちょっと言えないわ、ごめんなさい…」
『ごめんなさい』と繰り返すのは罪悪感からだったのでしょうか?それとも単に誤魔化したいだけ?
自分でもはっきりしないまま、夕食の支度を始め、夫婦の食卓を囲みます。
それから夫をお風呂に入れ、その間に片頬を膨らませる私。
それ以後、夫の目を盗む形であの茶菓子を口にするのでした…
同じ頃、佐々木さん宅に置き去りにされた『華』が一輪。
強力な洗脳によって『令子』の人格は停止していました。
ですが癖になったあの味を舌に感じることでのみ身体を震わせ反応していたのです。
みんな帰宅した後の長時間の洗脳や愛撫と相まって、じきに精液の味を感じるだけで絶頂を迎えるように身体も心も変容していきます。
そして、身体にかかった熱さやにおいだけで絶頂する条件反射を植えつけられ、その性感は、停止した人格『令子』の代わりの自我として成長していったのです。
どちらかというときつめの性格の『令子』の記憶を引き継ぎ、妖艶な笑みを浮かべる新たな人格『令華』は、舌なめずりしながら優斗様と奈緒子先輩にかしずくのでした…
「あ!おはようございます。
令こさ…じゃなかった、『令華』さん!」
『おはようございます、澄香さん。
昨夜のことは、誰にも言っちゃいけませんよ?』
ゴミ出しに外出しようとすると、佐々木さん宅から朝帰りする令華さんの姿を見かけ、挨拶する私。
まるで昨日の別れ際の佐々木さんのような口振りに驚き振り返ると、佐々木さんと色違いのピアス。
そして『令華』としての化粧はすべて落としているものの、アソコを彩ったピンク色の唇。
すっかり佐々木さんの芸術作品になってしまったかのような印象を受けました…それとも、佐々木さん自身の生き写し?
不思議な感覚のまま、エレベーターに乗る令華さんを見送ります。
ところで、昨夜令華さんの帰宅しなかった本多家では、騒ぎが起きて…いませんでした。
令子さんが伝言メモ代わりにテーブルに置いていたタブレットを覗き見た旦那さんは、その画面から洗脳されてしまったからです。
目の前に居もしない令子さんの姿を見て、一人で会話し談笑する…異様な光景でしたが、室内ですから誰も気付きません。
その幻のお陰で、令華さんは家庭に縛られずに優斗様の命令に従って活動できる自由を手に入れたのでした…
【今の流れで楽しんでますよ、ありがとうございます。
ただ、本多令子さんのご主人が放置されていたので、その注釈だけ入れました。
あと、令子→令華なら、佐々木奈緒子さんも何かの別名はあるのでしょうか?
また、管理人・長山優斗さんのDC幹部としての呼び名もあればありがたいです。】
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