【こちらこそ説明不足でした。
誤解をしていた訳ではないんですが、澄香目線からすると、自分が管理されているように柚月さんも管理されていると受け止めるのが自然だと考えたので。
おそらく想定以上のキスだったのでしょうから。
では感謝のキスだと認識したようにします。
それに対して、羨ましい程度には思ったことにも。】
「凄い…柚月さんの感謝の気持ちの強さが、伝わってくる……」
唇が離れると唾液が糸を引き、それがプツッと切れる時に流し目を私向ける柚月さん。
その蕩けた顔がとても色っぽくて、とても感じたんだな…と、私までドキドキしました。
やや悶々としたまま迎えた、翌朝の掃除当番。
ランジェリー見せ以外は普通に掃除していたのですが、管理人さんの顔を見るたび、昨日の濃厚なキスの場面が頭の中にブラッシュバックして顔を赤らめ、俯いてしまいます。
いつもよりたどたどしい掃き方でしたが、すぐ傍で管理人さんがゴミ箱につまずいたのを見て、反射的にゴミ箱を掴む私。
同時に管理人さんにも手を伸ばしたのですが、そちらはどうやら自力で持ち直したようでした。
「危なかったですね?
優斗さ…キャッ!んむ…むむぅ……」
けれどその手を掴まれ、胸元まで引き寄せられる私。
そのまま男性の力強い腕で抱き締められます。
驚いて見上げると、お礼の言葉と同時に迫ってくる顔…唇!
昨日、柚月さんが管理人さんにしたディープキスを、今度は管理人さんから私が受けることに。
けれど、これはお礼の挨拶だとわかっているため、私が拒むことはありませんでした。
最初、驚いて目を見開くものの、すぐに細めて唇も半開きになります。
ああ…礼司さんに、こんなに強く抱き締められたのって、いつだっただろう…プロポーズの時?結婚式の時も。
それくらいだっただろうか…そんなことを考えているうちに、口内に侵入してくる生暖かい男性の舌!
分厚い舌が私の舌を捉え、起こしてきたり、歯の表や裏を優斗さんの唾液まみれにしたり、私の尖らせた舌を唇でチュッチュと吸い出したり…再び唇が離れる頃には、昨日の柚月さん同様に私の顔も蕩けていました。
目を潤ませ、まだもの足りないとでも言いたげに舌を伸ばしたまま、お詫びを聞く私。
それに答えた後で口許を手で隠し、口の周りの優斗さんの唾液を舌で舐め取ります。
「…あ、いえ、優斗さんの感謝のお気持ち、よく伝わってきました。
大したことでもないのに、恐れ入ります……」
真っ赤な顔でペコリとお辞儀をすると、掃除の後の『訓練』も忘れて「失礼します!」と小走りで部屋に戻ります。
そしてその日の夜。
夜の営みはなくともキスなら…と思い、ベッドに入った夫に忍び寄ります。
『…ん、何だい澄香?』
「礼司さん、毎日毎日お仕事お疲れさま。
ささやかなお礼です…」
『うーん…疲れてるから、そういうのはいいよ。
君も仕事に家事にハロウィン準備に、で疲れてるんだろ?
早く寝なさい。』
「セックスしようっていうんじゃないのよ。
夫婦でしょ?キスくらいはしてもいいじゃありませんか。」
『お互い忙しくなくなったらね、おやすみ…』
「…んもう!」
まだ結婚一年目なのに、イチャイチャもさせてくれない…そんな夫にやきもきする私。
隣で夫に背を向けて布団をかぶります。
ふて寝をしようとしたのですが、朝の優斗さんの舌の心地よさ、抱き締められた時に圧迫され快感を感じた乳や乳首の感覚が忘れられず、そのまま自分を慰めてしまいます。
私、新妻なのに、どうしてひとりでこんなことを…優斗さんなら、ちゃんとキスを受け止めてくれるだろうに……夫ではなく管理人への精神的依存度を高めていく私でした……
「…お、おはようございます。
昨日は、すみませんでした……」
翌朝、恐る恐る管理人室のドアを開ける私。
結果として昨日の『訓練』を朝晩ともさぼってしまい、申し訳なさそうにしょんぼりした表情でした。
けれどディープキスの味を覚えた私はしたたかで、許してもらえるならお礼のキスを、怒られるならお詫びのキスをしようと構えていたのです……
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