「へえ、コスプレパーティーですか。
そんなものをマンション全体で開けるなんて、本当にここの人達は仲いいんですね。」
奈緒子さんの茶室で、ミルクコーヒーを飲みながら歓談する私達。
今ではなぜか、本来的には不作法なのに、敢えてズズズッと音を立ててすするのが常識になっていました。
そうして口内にミルクを溜めて、口を開いてネットリとしたミルクが粘つくのを見せ合ってから、喉を鳴らして飲み込む…淫らなランジェリー姿と合わさって、知らない人が見たら何かのプレイだとしか思えないほど。
奈緒子さんや柚月さんの話に、『タブレット』自体が新しい管理人・優斗さんが配った、私の入居以降のものだということも思い出せずに頷き納得します。
「コスプレ…あんまり凝ったものだと作り方がわからないし、他の人に衣装を話したら興醒めになっちゃいますよね?どうしようかしら…」
一抹の不安もありながら、コスプレパーティー自体には出席するつもりになっている、サテン生地ブラジャーとTフロントTバックショーツの私。
生地に擦れる感覚が心地よく乳首を刺激するため、最近のお気に入りでした。
その日の夜、夫に相談すると、あっさり許可が出ます。
もともと奥様同士の集まりでもあり、よその旦那様に見られる心配もないと考えたのでしょう……
「あのね、礼司さん。
なんでもここのマンションでは、毎年今月末にハロウィンのコスプレパーティーがあるんですって。
コスプレは必須で、自分では決められないそうなんだけど、出てもいいですか?
平日だから、出席するのも奥様達だけだろうし…」
『ああ、大事な近所付き合いなんだから、パートとぶつからないなら出ればいいよ。
平日なら、僕が写真を撮ってあげられないのが残念だけどね。』
「もう、礼司さんたら!
変な格好だったら、私のほうが見せたくないんだから、どちらにしても却下です。
…でも、許してくれてありがとうございます。」
♪ピリリッ…ピリリッ……♪
「…あれ?こんな時間にタブレットから…回覧板?」
ジムでのハロウィンイベントは土日、マンションでは平日…現実問題としてどちらも31日当日は外れていましたが、幸い日付は別々。
夫からの許しを得て喜んでいたところへ、夜分なのにメール通知を告げるタブレット。
題名は『ハロウィンイベントのコスプレテーマ』。
貼りつけられていたページから、ルーレットのように回るコスプレ衣装が表示され、私がそれを止めた結果は……
「今コスプレテーマが届いたみたいです。
結果は…
…!
ば、ババ……!?」
テーブルの向かい側で夫が、露骨に動揺する私を見て怪訝そうな顔をして『おい、どうした?』とタブレットを覗き込みます。
そして夫も、怪訝そうな顔をします。
…夫の嫌いな、しかも私自身である『バスティア』!
夫婦がお互い微妙に違う理由で動揺していました。
私もそんな姿で人前に出るなんて…たとえ変身不能で本物の生体プロテクターを纏う訳ではなくとも、冷や汗が止まりません……
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