図書館で、突然襲われた睡魔から目覚めたあゆむの眼前に広
がる光景は、まだ目覚めたばかりで朦朧としたあゆむにとって、
あまりにも唐突で、現実のものとはとても思えなかった。
しかし、爽やかな五月の草原の息吹に包み込まれた心地よさに
思わず、大きく背伸びし、その芳しい息吹を胸いっぱい吸い込み
気怠そうに大きな欠伸をした。
すると、またあの覚えのある甘い香りがあゆむの鼻腔に染み込
んで来た。
(おや?何で?又あの時のアーモンドチョコの匂いが?)
う~ん アーモンドも好きだけど、今はマカデミアンナッツの方を
食べたいかな~・・・
なんて呑気に考えていたら、突然、背後から声を掛けられた。
「あゆむ?・・・壽あゆむ じゃないのか?」
驚いて振り返ると、そこには、先輩が立っていた。
「えっ? せ 先輩?」
それは、昨年卒業した先輩、高橋 徹 で、幾分ツッパリ気味の
あゆむが、ちょい心を惹かれていた先輩だった。
「やはり 壽あゆむ じゃないか、久しぶりだね」
嬉しそうに白い歯を見せ、にっこりと笑うその先輩は、まるで
何かの爽やかなTVのCMのシーンのように見えた。
一瞬 ドキッとたじろぎ、しかし何で?とたじろぎながらも
「あっ 高橋先輩 お久しぶりです・・・」
幾分狼狽えてるあゆむを意に介さず、高橋先輩は、あゆむの
傍らに腰を下ろし、優しく肩を抱いた。
肩を抱かれ、一瞬、身を強張らせるあゆむに
「俺ね、ずっとあゆむに会いたかったんだよ」
「俺に好意を抱いていてくれたよね。気付いてたよ。でもな
受験期間だっただろ、だから敢て無視してたんだ」
「俺も、あゆむの事好きだったんだぜ」
いきなりの展開と告白、ましてやこの現状にあゆむの思考回路
はオーバーヒート状態に陥った。
一方 魔界の刑務所の一室で、所長のアールと魔界医である
女医のルビーがモニターを興味深そうに覗き込んでいた。
「どうだ ルビー? この女のデーターは取れそうか?」
「はい 所長、結構面白い反応を示していますよ」
「それより所長、ちゃんと思念を送る事に集中して下さいね。」
そのモニターから伸びている幾つもの電気コードは、台の上に
寝かされているあゆむの体へと繋がっていた。
あゆむの頭部、胸部、腹部、そして幾つかのコードは、あゆむ
の全ての穴の中に消えている。
そう、台の上に寝かされているあゆむは全裸で、体中にセンサー
を取り付けられているのだ。
こんにちは、あゆむさんの反応や言葉使いが楽しいので、
ついつい あれやこれや、と書いてしまいます(汗
これって、ちょっとまどろかしいんじゃない?と思われるなら、
遠慮なく指摘して下さいね。
昼間、時間が取れるときは、置きレスをしますね。
もう少し話が進み、あゆむが目を覚ました当たりからは、
もっと短文で行けると思います。
その時には、お互い時間が合えば、リアルタイムでのやり取り
出来るので、その時はまた宜しく。
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