零さん、お待たせしてしまってごめんなさい。
色々とありまして漸く書く事を許されました。
この十日間余りで、目まぐるしい出来事が嵐のように過ぎて行きました。
何処から話して良いのか、結論から言いますと、私以外の女性の囚われ人が一人増えました。
私と同じ納屋の柱に繋がれて神妙にして項垂れています。
うっとりと自身の今の状態を噛み締めているかの様にしな垂れています。
事の経緯をお話ししますと。私の被虐願望など問題にならない程のマゾヒスティックな女性です。
仲良しの女性グループ三人での山歩きの途中で、この家を見つけて立ち寄って来たのでした。
男性三人の方は、食料の買い出しで山を下りて、街に行っていて留守でした。
母屋へと声を掛けても返事が無いので納屋を覗き込んで来たのでした。
全裸で縛られれ柱に繋がれて猿轡をされた私を見た三人の女性は驚きの余り、声も出せずにいたのでした。
気が動転したのか、その場で腰を抜かしたかの様にへたり込んでしまったのでした。
漸く、正気を取り戻した三人の一人が、警察に連絡をと携帯電話に手をかけたところに男性陣買い出しから戻って来たのでした。
私達にしてみれば危機一髪でした。警察沙汰になったりでもしたら世間の笑い者になるところでした。
男達三人が納屋に入って来たので、女性たちは尚更に慌てふためき恐怖を感じたことであったと思います。
男達は即座に事の次第を説明したのでした。これは犯罪などでは無い。この女の欲求を満たす為の遊び。SMプレイであるといった事を話しました。
猿轡を解かれた私も必死に誤解を解いたのでした。私が望んでこの様にして貰っているのです。
私は縛られる事が好きなマゾヒストです。心配しないで下さいと。女性三人は、ようやく納得して、落ち着きを取り戻したのでした。
この女性三人グループは学生時代からの旧友の中でした。三人共四十歳半ばの女盛りの色めいた雰囲気を漂わせていました。
日頃から、夫の眼を盗んでは昼日中から揃って、男を漁っての浮気にうつつをぬかす仲だという事でした。
一人の女性を除いての事ですが。その彼女は数年前に夫を亡くしていたのでした。元々山歩きが共通の趣味であった三人は、
そんな彼女の寂しさを紛らわせて上げようと今回の登山計画を立てたのだと言う事でした。
さて、その夜は母屋で大乱行が行われたのでした。男三人女三人で入れ替わり立ち替わりの絡み合いのセックス三昧。
明け方近く迄続けられたのでした。私は一人取り残されたようにその光景をただ見せつけてられていました。
母屋の部屋の中央の柱に立ち縛りにされて、六人の淫行を見守っていたのでした。明け方近くに乱行は終了して、納屋に連れ戻された私でした。
しばらくして、一人の女性が全裸に縄を打たれ納屋まで歩かされ、入って来たのでした。未亡人となっていた女性でした。
実は彼女は生粋のマゾヒスト。強度の被虐願望を抱えたひとりだったのでした。それ等、彼女の性癖は、連れの二人の女性も知るところであったのでした。
日頃から男性からの調教を受けたい、誰か私を縛ってくれる男性はいないものかしら。などと口走っていたとの事です。
そこで、乱行が終わった後に男性陣に、自らの性癖を打ち明けて縛って貰える運びとなったと言う事でした。
仲間二人の女性も彼女の性欲が満たされるのであればと納得して賛成したのでした。
ところが話しはこれからが本番なのです。山に朝日が登り、快晴を告げてきました。
その日は、予定通りに山を下りる日であったのでした。二人の女性が下山の準備をする中、縄を解かれた女性は何やら納得の行かない表情でした。
突然に、私は此処に残りたいの。あなた達二人で山を下りて帰って頂戴。お願い、私を此処に置いて山を下りて。
唖然とする二人に、そう言い放ったのでした。彼女等二人の説得に耳を貸すこともなく、その意思は堅いものでありました。
結局は彼女の願いを叶えてやるべく納得した二人でした。彼女は、さぁー早く縛って下さい。私の気が変わらない内に縛り上げてください。
調教を加えてください。と言って、男達に背を向けて背中の真ん中で手首を交差して見せたのでした。
それを見ていた彼女等二人は、深い溜め息をついて、これがあなたの本望なら仕方ないわね。でもいつ帰って来るの。その問いに彼女は、ずっと此処にいます。
家に帰ることはないわ。はっきりと答えたのでした。女たち三人のやり取りは暫くの間続きました。内容はこの様なものでした。
彼女のザックの中から家の鍵を取り出して渡す。家の中の箪笥の引き出しに権利証がある。不動産屋に家を売却して欲しい。主人の位牌は菩提寺に永代供養をお願いして欲しい。
それ等の費用は家を売ったお金で支払ってもらいたい。残ったお金はあなた達二人で分けてもらって構わないので好きな様に使って頂戴。
全てを処分して私は此処で生きて行ければ本望なのよ。この言葉には男達も仰天していました。
そこで一人の男が、お金が欲しくて言うのではないが、必要経費を引いて残ったお金は、俺たちに頂けないものだろうか。俺達三人にも生活がある。
女の面倒を見て行くにもそれなりの金が要る。それであればこの女は引き受ける。そんなやり取りの末に決着したのでした。
ギシギシミシミシと彼女の体に巻き付いてゆく荒縄。あゝと艶かしい溜め息をつく彼女。項垂れた状態で縄に身を任せて桃源郷を彷徨っているかの様でした。
それを見つめる二人の女性。じゃあ私達は山を下りるけど、これでお別れなのね。元気で暮らすのよ。家を処分したお金は男の人の口座に振り込んで置くから。
本当にそれで良いのね。後悔はしないわよね。あなたに会いに来たいけど、私達にも生活があるし、中々こんな遠くの山迄は滅多に来れないわよ、寂しくないの。
それでは彼女をよろしくお願いします。そう言って男達三人に深々と頭を下げて、山を下りて行った二人でした。その足取りは何やら重たそうに見えました。
彼女等も複雑な気持ちであったことでしょう。三人で山登りに来て、帰りは二人。ましてやその一人は全裸の身でこの先の人生を納屋に縛り付けられて過ごして行くと言うのです。
どんな気持ちで彼女の家を処分して、位牌をお寺に納めに行くのでしょう。その言い訳は何とするのでしょうか。彼女等も気が重く、大役を任せられたことに苦慮している事でしょう。
納屋の内から、ふと見上げた私の眼に映った光景。眼前に広がる畑の中、立ち昇る煙の中、良く見ると其処にはザックらしき物が燃やされていました。まさしく彼女の私物でした。
更に燃え盛る炎の中に放り込まれていた物は、彼女の登山服と靴、そして下着の類いでした。彼女にはもう何も残っていないのです。裸ひとつで暮らす山の中。肌に纏える物は縄ひとつ。
勿論それは私も同じことなのです。違うところは、私の方が先輩と言う事で、納屋の中では私には布団代わりに藁が充てがわれていますが、彼女は冷たい地べたで過ごさなくてはならないのです。
又の機会にお話しさせて頂きます。
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