(家での話の続き)
次に、ご主人様に対して私の身辺を全て教えるよう指示を出されました。
私は前述の通り、何不自由ない家庭に生まれ、ごく普通に育ち、大学在学中に真子を妊娠、出産しました。その後、夫となった人と3年で離婚し、私の両親にもあまり頼ることなく真子を1人で育ててきました。大学も入り直し、今の教職に至ります。
すると、ご主人様からの返信には、こう書かれていました。
「今まで苦労を重ねてきたのだね。我慢することも多かっただろう」
このお言葉に、私は涙してしまいました。
まだ会って数回の方なのに、なぜか涙がとめどなく溢れてきました。
きっと、私の中で、ご主人様という存在がとても大きくなっていたのだと思います。
そして次のメッセージにはこんなことが書かれていました。
「我慢や苦労を重ねてきた分、薫の中に溜まっているものも大きく、多いだろう。これからは私のいうことを聞いてさえいれば薫は幸せになれる。全てを私に捧げなさい。その一段階目が先日の契約書の宣言だったのだよ」
全てにおいて、ご主人様は私の上を言っていらっしゃる方なんだと改めて実感させられました。今までの私は、教師、母親という仮面を被って「いい人、いい先生、いい母親」を演じてきたのだとご主人様に教えられた気がしました。
「きっと、苦労と我慢で薫の思考は真面目という固い殻に覆われてしまっている。躾の中でその殻を壊し、本来の姿の薫を晒させるから、覚悟をしておきなさい」
ご主人様のお言葉の一つひとつが、全て私の思考を把握された上で放たれているのではと錯覚してしまうほど、ご主人様は私のことを熟知していらっしゃいました。おそらく、私以上に、私のことを深く見てくださっているのだと思います。
「今週末の土曜日、指定したホテルに来ること」
そういって送られてきたのは、当日のホテルの住所と、その時の服装でした。
私は心が踊りながらそのメッセージに「かしこまりました」と返事をしていました。
(続く)
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