「ダメよ」
突然、画面から二人が消えて、天井が映り出された。
(何が起きた?)
と不安になっていたら、二人の会話が聞こえてきた。
「今日はオナニーするだけって約束でしょ?」
「そんな事、言ったって我慢できないよ」
言い争う恋人同士の甘い痴話喧嘩みたいなやりとりだけが、聞こえてきた。
声をかけて良いのか悪いのか、困惑してたら、
「やめて、ぅぅ、」
(お母さんが襲われてる?)
「ママ、ママ、」
二人の暴れる音と、彼が母親を呼んでる声がスピーカーから聞こえてきた。
「お願い、ゴムを着けて!」
(かなり切羽詰まってる)
他のみんなも、通信障害が起きたみたいにフリーズしてる。
(してるよね?)
「やめて、今日は許して!」
(今、声をかけたら間に合う)
と思ったけど、リモートでは暴走している二人を止められない。
「あん、そんな、そんな、ダメ、」
抗い続ける母親の艶やかな声に、思わず「きゅん」とした。
「はぁ、はぁ、」
息を切らす彼の声と、
「う、うぅ、」
必死に声を殺してる母親の声が続く、
(とうとう、しちゃったんだ)
と思いながら、二人が絡み合ってる姿を想像していた。
この部屋で暮らしてる母子が、女と男の関係に陥ってしまった。
「あぁん、はぁん、」
声を我慢していた母親の呻きが、突然大きくなった。
思わず、声に驚いた私のアソコが「きゅんきゅん」する。
「ママ、気持ち良い。気持ち良いよ」
「ママも気持ち良いの?」
息を切らして問いかける息子に、
「あぁん、あぁん」
と切ない声で喘ぐばかりの母親。
画面のみんなは、前のめりになっている。
(どうなる?)
と思いつつ、私の手は勝手に、服の上から胸を揉み、疼いていたアソコを抑えていた指が、パンツの上から擦っていた。
熟した女性の甘い声に、聞き入りながら、セッションだった事も忘れて、私もオナニーに参加していた。
「あぁん、」
彼女の声に合わせて、私の声も漏れてしまう。
独身でSの私が、育ててきた自分の息子に凌辱されてる様子が、妄想になって浮かんだ。
「ママ、良いよね?」
「今日も中に出すよ、」
(「今日も」ってなに?)
(今日が初めてじゃないの?)
(「中に出す」って本気?)
(そんな事、許される訳がない!)
と思いつつも、
(仕方がない)
と、他人の事を勝手に考えてしまった。
(もう、良いよ、)
(お母さんだって、アナタが出すのを待ってると思うよ)
本当に「勝手な妄想」だ。
「あぁ、イク、イク、」
という声に、母親は何も言わず、ハァハァと喘ぐ声で答えた。
「うっ、」
と言う声が漏れて、しばらく吐息だけが聞こえた後、彼の画面が消えた。
私も、みんなも唖然とした。
「ど、どうしたんだろうね?」
言葉を上擦らせながら、他の子にヘラヘラして声をかけたが、全員が無反応になっていた。
「じゃ、今日のセッションは終了します」
「みなさん、宿題は忘れないように」
と言って、私も接続を切った。
しばらくして、二人から電話がきた。
「先程は、お見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳ございませんでした」
と、さっきまでとは、全く別人みたいな感じで謝る母親と、叱られるのが恐くて怯えている息子の二人が、なんだか温かくて、ほっこりした。
次のセッションでは、彼がみんなに謝罪したが、
「よくやった!」
「親孝行だ!」
と、みんなは無責任に彼を褒めていた(呆)
その日は、みんなで「おうち時間のセックス」について語り合った。
意外と奥さんや姉妹、付き合ってる彼女の前で、オナニーする男子は少なかった。
「子供の見ている前でしてみたい」と言って、ひんしゅくをかった人もいたけど、色んなフェチがあると、勉強になった
[完]
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