けっこう、時間は掛かったが、なんとかキレイに剃れた。
彼にとって初めての剃毛プレイ。
せっかくなので、彼女のスマホで仲良くしている二人を入れて、記念撮影した。
一通り撮り終えた後、
「お尻の毛は、剃らなくて良かったのかな?」
と彼女が呟いた。
「もう、私の指も限界だよ」
「お尻も剃るなら、お嬢にオマカセしても良い?」
と聞かれた。
念のため、彼のお尻を見たら、意外と毛深かった。
しかも難しそう。
道具を返しに行った彼女が、
「お尻は剃らなくて良いって」
と報告してきた。
夕食まで時間もあった。
彼女は私に
「見張りをお願いできますか?」
と言った。
私は察して、カーテンの外に出た。
カーテンの中からヒソヒソ話が漏れてきて、沈黙の後にクチュクチュと湿った音が聞こえてきた。
明日、手術を終えた二人は、しばらく触れ合う事も出来なくなる。
声を出さないように我慢しながら愛し合う二人の音を、私は黙って聞いていた。
ギシギシと軋むベッド、粘膜の擦れあう音が、病室の外まで漏れていた。
「こんにちは」
人が通るたび、挨拶をして、私は二人に合図を送った。
「終わりました」
身支度を整えた彼女は、上気した顔でカーテンを開けた。
二人の残り香が漂っていたが、すぐに消えた。
夕方、彼女の母親から、息子を迎えに行った報告があった。
彼女は
「お父さんは元気だよ」
と、息子に宛てて返信していた。
面会時間が終わるまで病院にいて、今日は真っ直ぐ帰宅した。
欲求不満が解消された彼女は、私に迫る事もなく、今夜は早く寝ている。
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