チャットサイトには以前と同じ名前のチャットルームはなかった。
その代わり、「えむこ待ち合わせ」という部屋が表示されている。
(待ち合わせなんかしたっけ??)
そう思いながら部屋のタイトル画面をタップすると、
すぐさまチャット画面の右上に黄色い南京錠の形をしたロックマークが表示された。
心拍数が少しあがる。
「えむこさんお疲れ~」
部屋主のコメントが表示される。
「部屋主さんもお疲れー」
「>えむこさん ありがとう! てか、部屋作ってみちゃった笑笑 よく見つけられたね笑笑」
私はこのコメントの回答に少し手間取った。
回答によっては“わざわざ一生懸命”部屋を探して、
いやらしいことをされに来た女と思われるからだ。
例えアダルトサイトであっても、端から変態だとか下品な女と思われたくない。
普通に世間話をしに来ただけ。そう思われたい。
「たまたま視界に入っただけ笑」
無難な回答をしたつもりだった。すると、すかさず部屋主から返事が来た。
「僕がここ作ったの一時間前だよ?? たまたま視界に入るとは思えないけど笑笑」
私は完全に沈黙した。
というのもチャットルームはコメントの新しい順に画面の上から表示される。
そのため、一時間前に更新された部屋が視界に入るとなると、
それなりにスクロールする必要があるのだ。
つまり、私が“わざわざ一生懸命”部屋を探していたことは、部屋主にはバレバレなのである。
恥ずかしさが込み上げてきた。
一方で、私が心の内に隠したバレバレの期待も同時に込み上げて、身体が熱くなる。
「まぁいいや笑 そういえば、えむこさんは痴漢されるのが好きって言ってたけど、今日はされたの??」
沈黙から私の期待を察したのか、部屋主は本題に入る。
「今日はされてないよ」
「今日はってことは最近されたんだよね??」
部屋主の意地悪な質問に私の心が淫靡に疼く。
素っ気なく「うん」と返事をする。
「じゃあ、最近の痴漢で・・・、
いや、今までされた一番気持ちよかった痴漢のこと説明しながら、それと同じように体を触って」
部屋主にそう言われると、私は素直に過去の痴漢のことを書き込みながら、
自分の体を触りだした。
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