部員共通の秘密が出来て、チームの結束力も強くなると、徐々に成果も出てきた。
一年生が雑用をしなくて済む分、練習にも気合いが入った。
地方大会で、そこそこの成績を修めると、顧問は正式に男子を部員にしたいと言い出したが、学校側は許可を出さなかった。
非公認の雑用係として、男子は私達の身の回りの世話をしていた。
三年生が引退して、受験の合間に遊びに来るようになると、男子を呼び出しては、部室にこもるようになった。
そんなある日、二年生の先輩に言われて、用具室に行ったメンバーが、真っ赤な顔をして戻ってきた。
「男子が三年生に裸にされてる」
「私、オチンチンを見ちゃった」
衝撃だった。
まさか学校で?
エッチに興味を持つ年頃の女子には、刺激的な情報だった。
まさか先輩達が?
色んな妄想が、頭をよぎった。
練習が終ると、男子は何事も無かったかのように、後片付けを始めて、私達がシャワーを浴びて、着替えた頃に部室へ戻ってきた。
男子は顧問に、用具の手入れをしていたと言っていたが、私達は先輩と部室でしている事が気になっていた。
数日後、男子の手首に赤い痕があったので、
「どうしたの?」
と訊いたが、答えをはぐらかされてしまった。
部内では、色んな噂も飛び交い始めていた。
部室から男子の悲鳴や、先輩の声が聞こえた、とか、先輩も裸だったとか、尾ひれのついた噂話が、一年生の間で蔓延した。
三年生が卒業すると、男子も練習場に来るようになった。
男子は、ネクラだった以前とは、別人のように変わった。
新年度になって、部活に新入生が入っても、男子は雑用係を続けていた。
彼女達は、非公認の男子マネージャーに、最初は戸惑っていたが、徐々に馴れてきて、二年生になった男子に、雑用をさせるようになった。
どんな頼み事も嫌がらず引き受ける男子に、二年生から不満の声も出始めた。
「ケジメは必要でしょ?」
という意見が増えて、私達の代表が三年生に言いに言ったが、先輩達は取り合わなかった。
顧問が新入生からも男子マネージャーを入れようと言っても、三年生は反対した。
そんな中、夏休みの合宿に来たOGから、
「面白い物を見せてあげる」
と言われ、私と仲の良かった数人が呼ばれて、深夜に合宿所を抜け出した。
つづく
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