[あけおめ]
「おれ、疲れたから寝る」
ローション対決で夫婦のプレイが始まった途端、お兄ちゃんが席を立った。
まだ口喧嘩だったし、展開も気になったものの、私はお兄ちゃんについて行った。
トイレに入って、一緒に歯を磨いて、お兄ちゃんがオシッコしたいって言うから、私も一緒に個室に入った。
個室は隣との仕切りが畳まれていて、便器が仲良く並んでいたから、私もお兄ちゃんの隣に座ってオシッコをした。
他の個室から、男性の声と女性の呻く声が聞こえて、私も興奮していたけど、お兄ちゃんは用を足し終えると、
「お先に」
と言って、個室を出て行ってしまった。
私が後からザコ寝部屋に戻ると、二組のカップルが布団の中でエッチを楽しんでいた。
私は他の人の邪魔をしないように服を脱いで、いつものナイトブラに着替えてから、お兄ちゃんの寝ている布団に入った。
ダブルサイズの布団の中で、お兄ちゃんは浴衣を着たまま寝ていた。
私は小声で
「寝ちゃった?」
って訊いたら、
「まだ起きてる」
って答えた。
「どうしたの?」
と訊いても、答えをはぐらかして来るので、
「奥さんの事?」
と訊いた。
しばらく黙っていたお兄ちゃんも、少しずつ身の上話をしてくれた。
子供が産まれてから、奥さんの様子が変わった事や、病気になった親の看病や介護の話とか、まるで別世界の話を私は聞かされた。
共感は出来なかったけど、お兄ちゃんの悩みや苦労は理解できた。
私は元気の無いお兄ちゃんのオチンチンに手を添えてあげた。
「お兄ちゃん、頑張ったんだね」
って言ったら、背中を向けていたお兄ちゃんが、こっちを向いて私を抱き締めてきた。
「おれ、バカみたいだろ?」
と言うので、
「そんな事ないよ」
と慰めて、私はお兄ちゃんの腰に手を回した。
チカラなくフニャフニャだったオチンチンは、少しずつ元気を取り戻しているのを、私はお腹で感じていた。
「舐めてあげようか?」
って訊いたら、
「大丈夫なの?」
と訊かれた。
私は以前、こうした集まりで興奮して、パートナーのオチンチンを、危うく噛み切りそうになった事件を起こしていた。
今でもパートナーを噛んで、私の歯形を全身に刻む性癖は変わっていないが、舌で舐めるだけなら、なんとか我慢できそうだった。
「もし、噛んだらごめんね?」
って言ったら、
「りなちゃんになら、食べられても構わないよ」
と言ってくれた。
私は、布団の中に潜り込み、手探りでトランクスのボタンを外して、まだ膨張途中のオチンチンを指で取り出して、舌先で舐め始めた。
オシッコしたばかりのオチンチンは、生臭くて、少ししょっぱかったけど、お兄ちゃんの悦んでる息づかいが伝わってきたから、隅々まで舐めてあげた。
徐々に中は蒸し暑くなったので、私は布団から顔を出した。
消灯してないザコ寝部屋の明かりが、眩しかった。
気がつけば、周りの布団からは、泣き声や鳴き声も聞こえていて、敷かれている布団も増えていた。
縛られたり、拘束されてる男女が、はだけた布団の上で、異物を挿入していたり、セックスをしていたが、寝室だから、みんなも声を出すのは我慢していた。
「私達も静かにエッチしよ?」
って言ったら、お兄ちゃんは頷いてくれたので、私はナイトブラを脱いだ。
お兄ちゃんは、
「りなちゃんのオッパイは、一番キレイだよ」
って言ってくれた。
私も自慢のオッパイを褒められて嬉しくなった。
元既婚者だけあって、彼の指は私をすぐに萌えさせて、乳首や下腹が疼いてきた。
前戯の最中に、消灯時間が来て、真っ暗になると、不気味な呻き声に興奮してきた。
ゴムを着け損なったので、ナマのオチンチンが、アソコの入り口を探っていた。
彼は私の息づかいだけを便りに、半分まで挿入したペニスの角度を確かめていた。
私を仰向けから横向き、四つん這いにして、一回転させると、仰向けの状態で、先端をお腹側に擦らせるように、深く挿入してきた。
(お兄ちゃん、正解だよ)
心の中で、私は囁いていた。
私の好きな体位は、気分によっても、相手によっても違う。
的確な体位で、私の体内に侵入してきたペニスを、私は咀嚼するように締め付けてあげた。
暗闇で時間も分からなかったけど、彼が抜いて、アソコに精液を浴びせた瞬間は、凄く気持ちよくてイッた。
終わった後、手探りで濡れた部分を拭き取って、ブラもしないまま寝ていたら、布団の中から彼の匂いが漂ってきた。
「臭い、よね?」
って言うから、
「だから嫁に逃げられたのかもね?」
と言ったら、
「りなちゃんは、本当に意地悪だね」
って言われた。
令和元年、最後のセックスは、気持ち良く終われた。
つづく
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