それからしばらく経って、タチの子から連絡が来た。
切羽詰まった声だったので、急いで待ち合わせ場所へ行くと、彼女が一人で待っていた。
どうやら二人はケンカをしたらしい。
内容を聞くと、他愛もない痴話喧嘩と思ったけど、女同士でも友達とレズでは、ケンカの意味も違っていた。
奔放すぎるネコの子は、自分の思い通りにならないと泣き叫んだり、暴れてタチの子に暴力を振るう事もあるという。
タチの子が電車で1時間ほどの実家に逃げても、家に電話してきて、彼女の両親にも迷惑をかけていた。
ようやく大学に入って、イジメからも解放されたのに、ネコの子のワガママに振り回されて、困っているらしい。
「そんなの、別れた方が良いよ」
と、言ったけど、タチの子は、そんな彼女だから、放っておけないと言うばかり。
私と彼女の押し問答が続き、何の解決策も見出だせないまま、会話が煮詰まってしまった。
私も、翌週には楽しみにしていた男性とのプレイも控えていたので、続きはその後にすると言って別れた。
お盆休み明け、タチの子と約束した場所へ行くと、ネコの子も来ていて、プレイの話を聞きたがっていたので、二人が暮らす部屋に行った。
プレイの話や、SMの話をすると、二人とも凄く興味を持っているようだった。
「男性相手って恐くないの?」
「妊娠しないの?」
「オチンチンってどんな感じ?」
等々、女子大生とは思えないような事を訊かれた。
特にノリ気で訊いて来たのはタチの子。
そんな彼女を見ていたネコの子は、徐々に不機嫌な態度になってきた。
私がM男くんの魅力を話している間、タチの子は目を輝かせていて、ネコの子は私を睨み付けていた。
そんな対称的な二人を前に、私も色んな経験談を、夜まで話続けた。
最後に
「一度、二人もプレイしてみる?」
と訊いたら、しばらく間があって
「考えてみます」
と答えた。
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