由起子に任せていた仕事が一段落した頃、私は由起子に声を掛けました。
「松田さん、今日か明日か飲みに行かへん?」
今まで2人で飲みに行くことはなかったので由起子は少し驚いたようでした。
「ほら、仕事も頑張ってくれてたし、松田さんのお疲れ会、個人的にしてあげたいなと思って」
「いいんですか?ありがとうございます」
由起子は嬉しそうでした。
翌日、私は由起子と飲みに行くことになりました。
ちょっと洒落た感じの和食の店に由起子を連れて行きました。
もちろん、個室です。
由起子はアトピーがひどくなることを気にしてか、ウーロン茶を頼もうとしたので、私はアルコールを飲むよう勧めました。
「じゃあ、少しだけ…」
由起子は梅酒を頼みました。
食事をしながら、最初は仕事の話をして、そこからプライベートな話題に変わりました。
私は家庭の話になった時にさりげなく妻とうまくいってないような話をします。
由起子は休みの日は親と買い物に行ったり女友達と会ったりしているようなことを言いました。
由起子もそれなりに酒を飲み、十分打ち解けた雰囲気になったところで、私はまた仕事の話に戻しました。
「今度、新しいプロジェクト考えててさ。松田さんにそれに加わってもらおうかなって思ってんねん」
「え、私がですか?」
由起子は驚いた風を見せながら、嬉しいのか顔をほころばせています。
「まあ、俺と一緒にチーム組んで進めていく感じ?ほんまは副部長が噛む仕事なんやけどな。松田さん、どうかなって」
「嬉しいです…」
おそらく、本来持っていたはずの上昇志向に火がついたはずです。
「でも、まだどうしようか迷ってるとこもあんねん。小沢(副部長)がどう思ってるのかなってのもあって」
副部長の小沢と由起子はうまくいっていませんでした。
「あと、松田さんがどんだけやる気になってくれるかってとこなんやけど」
「やる気は…あります。やってはみたいです…」
「そうか。だったら、真剣に考えてみてもいいかなぁ」
私はその後バーに場所を移しました。
バーでは少し下ネタも交え、気さくな雰囲気を作ります。
「松田さん、SかMで言うたらMやろ?」
「ええ?まあ…どちらかというと、そうかもしれないです…」
「今までの彼氏もSが多かったん?」
彼氏などほとんどいなかったはずの由起子に私はわざと言いました。
由起子は笑ってごまかします。
顔も赤くそこそこ酔っているようでした
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